NHKの番組を批判する内容の記事の中で、脳脊髄液減少症の患者会が執筆に関わった本が紹介されていました。
NHKの2番組に批判殺到、なぜNHKは社会保障の問題点を批判できず、世間とズレる? - ライブドアニュース
さて、最近、そんなNHKの職員にも読んでほしい、日本の社会保障を考える上で重要な本が出ている。『誰も知らない 最強の社会保障 障害年金というヒント』(中井宏監修/三五館)だ。
「もしも、あなたやご家族が病気やケガが原因で仕事を失った、いや失ってはいないけれど、もはや限界だ、日常生活に大きな支障が出ている。そうした状況に陥っているのであれば、どうか『障害年金』という制度を知ってください、請求してください。自分を責めるのはもうやめて、まわりにいる味方とともに、手続きの一歩を進めませんか?」という、世間にあまり知られていない障害年金の受給マニュアルのような本だ。
この本については以前もこのブログで紹介しました。仮認定NPO法人「脳脊髄液減少症患者・家族支援協会」代表理事、中井宏さんたち社労士チームによる、障害年金のための本です。
【3/20】脳脊髄液減少症関係者による障害年金のための本| いつも空が見えるから |
中井さん自身、脳脊髄液減少症の患者であり、今回の記事の中で本の内容が次のように引用されていました。
「私自身も、脳脊髄液減少症という病の患者なのですが、自分が障害年金を請求する資格があった発症当時、その存在を知りませんでした。
…行政からの案内もなく、自分で請求しないかぎり、誰も教えてくれないのです。
年金事務所に相談に行っても、職員ですら制度の内容をきちんと理解しておらず、間違った情報を教えられるケースが後を絶ちません。
…障害年金の受給者は195万人と推定(2012年3月末現在)されていますが、受給要件を備えているにもかかわらず、受けていない人はその数倍ともされています。
…障害年金は、国が定めた制度であり、一定の障害の状態に該当すれば、受け取る権利があるのです。
…人は皆幸せに生きる権利があるのですから、自分らしく、希望をもって生きていける社会であってほしい。
…当たり前に正々堂々と障害年金を請求することができる世の中になることを望みます」
この記事の中ではイギリスの作家J・K・ローリングが生活保護を活用して小説を書き上げ、結果として国に利益をもたらしたことも書かれています。
弱者切り捨てや自己責任論の風潮が強いですが、利用できる社会保障制度を賢く活用することはわたしたちの権利だと思います。
CFSやその他の病気で社会保障を必要としている人にとって、この本は役立つ一冊だと思います。