NHKためしてガッテン「マッサージでも治らない 長引く痛み治療最前線」で、線維筋痛症が取り上げられました。ためしてガッテンは番組公式のまとめサイトもあるので、ブログにまとめる意味はほとんどないのですが、自分の覚え書きがてらにメモしておこうと思います。
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放っておくと危険!小さな痛みがある日突然
今は体の痛みに悩んでいる人が多い時代。放置しておくと、痛みが全身に広がり、破局的状況になる。
■山本和美さんのケース
最初は足の違和感、足先の鈍い痛みだった。
「我慢できる程度の痛みだった。耐え難いほどではない。なんだろうと言っているうちに激しくなってきた」と話す。
しかし、痛みは次第にエスカレート。水道の冷たい水で指の関節が激痛になったり、包丁で切る振動で痛みがでたり、体の中をガラスの破片がかけめぐっているよう。あまりの痛みで一睡もできないことがあった。
痛みに耐えかねて病院に行ったが、血液検査やX線検査では痛みの原因は見つからなかった。
「異常がないと言われるたびに不安が倍増した」と話す。
■刺繍作家の北井小夜子さんのケース
最初は右手がこわばるような痛みから、息を吸っても痛いという胸の痛み。針も持てないような痛みになった。
「こっち側が少しよくなってきたと思ったら、こっち側と、痛みが移動する」
口が乾く。冷房の冷気があたるだけで目が乾く。起き上がることも難しいめまい。
二人に共通する特徴は、一番痛い場所が日によって移動するということ。
またドライアイやドライマウス、下痢、便秘などの症状を伴う。
これは慢性痛の一種で、線維筋痛症いう。病名がつくまで、30年以上かかった人もいる。以前に一度、慢性痛について取り上げたが、線維筋痛症を取り巻く状況は大きく変わったので、今回もう一度取り上げる。
山本さんは痛みがなくなった。
北井さんも大好きな刺繍ができるまでに回復した。
「こんなにも手が動くということが幸せ」
早期発見のキモ 18か所のポイントQとは
100人のアンケートから募った痛みの原因がわからない3人で調査。
桑名東医療センターの松本美富士先生。親指で体の各所をチェックした。
もともと痛いと言っているのとは違う場所を押して、痛いかどうか確認する。全部で18箇所あり、番組ではポイントQと名づけたとのこと。押す際のポイントは、決して強くなく、親指の爪がほんの少し白く変わるくらいに押す。
3人のうち二人が線維筋痛症と診断された。
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秋葉原の護身術の道場。インストラクターの先生に、ポイントQを示した図を見てもらうと、「そんなに力を使わなくても、相手を弱らせたりできるポイントになっている」と話す。
格闘技の急所だから、ダジャレで番組ではポイントQと名づけた。(いわゆる線維筋痛症の圧痛点のこと)
ポイントQは神経の束が集まるところ。そこから先は神経の束は筋肉や骨の内側にまわってしまう。直接神経を触る場所といえる。
体に刺激を受けると、刺激は神経を伝わって、脊髄に届く。脊髄は痛みを制御している。痛みの原因が残っていても、脊髄が痛みを抑えてくれる
線維筋痛症のときの脊髄は様子がおかしくなっていて、痛みを鎮めることができない。それが線維筋痛症の原因ではないかと考えられている。
脊髄は、体の奥にあるので、調子が悪いかどうか確かめることはできない。
ポイントQは、脊髄に直接つながっている場所なので、脊髄の調子が悪いかどうか診断できる。
おうちで簡単 線維筋痛症セルフチェック
東京八王子医療センターの岡寛教授。2008年に線維筋痛症学会が立ち上がって、脊髄と脳の関係などが明らかになってきたと話す。
普通の人は2か所くらいは痛いが、11か所以上なら線維筋痛症の可能性がある。
ほかにもいろいろな症状があり、患者の9割くらいは疲労を訴える。
そもそも脊髄が調子が悪くなってしまう原因はストレスで、心理的なものから身体的なものも関係している。弱い痛みでも、長い期間続くと、脊髄を弱らせることがある。
痛みの「見える化」 治療の最前線
痛みを数字で表すと痛みの治療ができる。
治療の効果を上げるのにかかせないのは、痛みの感じ方を数字で表せる機械(ペインメーター)。電流を腕に流し、腕に感じる痛みと患部の痛みが同じになれば、ボタンを押してもらう。それで痛みを数値化できる。
患部に赤外線を当てる治療前と治療後で、痛みを数値化した。
患者は「痛みはよくなっているかもしれない」と話すが、数値を見れば610から、457に下がっていた。
痛みを数値化するおかげで、治療の効果を自覚できる。
一般の人が、洗濯バサミで耳を挟まれた痛みは186だった。
この病気の平均は約790。その痛みがずっとある状態なので、自律神経も乱れたりして、いろいろな症状がでることになる。痛みを改善するとほかの症状は良くなる。
痛みを数値化するメリットは、治療薬を調整できたり、周囲の理解が得られたりして、ストレスが減ることにある。ストレスが原因でなる病気なので、治療効果もあがる。
早めに診断、治療すると良くなるので、リウマチ科、ペインクリニックなど、体の痛みの専門家を受診するとよい。
ここまでで番組のまとめは終わりです。
有名な番組で、線維筋痛症がとりあげられたということで、線維筋痛症の理解が進んでくれたらいいなと思います。
線維筋痛症のメカニズムについては、諸説あると聞いたので、番組内の話はひとつの可能性なのかもしれません。
早めに気づいて、専門医にかかる人が増えてくれたらと思います。
慢性化して重症になった人の治療法も見つかってほしいところです。
今、リンクを貼ろうとして、線維筋痛症学会のホームページを見てみたら、サーバーが落ちていました。それだけ反響がすごかったということだと思います。さすがためしてガッテンですね。
線維筋痛症学会のページには専門医の場所が載せられています。
日本線維筋痛症学会 - Japan College of Fibromyalgia
番組で登場された岡寛先生の著書、線維筋痛症がよくわかる本 全身を激しい痛みが襲う (健康ライブラリーイラスト版)もわかりやすくてお勧めです。