多発性硬化症の悪化を抑える免疫細胞が判明したというニュースがありました。脳脊髄炎を抑制するのは、IL-10を産生する制御性B細胞だそうです。
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特に、B細胞から分化誘導したプラズマブラストがIL-10を産生しているおり、産生されたIL-10が樹状細胞の機能を阻害することによって、脳脊髄炎の悪化を抑制していることがわかったといいます。
もし、プラズマブラストの分化を人為的に制御することができれば、多発性硬化症に対する新たな治療法の開発につながるとされています。
今回の実験は主にマウスですが、健常人の場合でも、血液から単離したB細胞をプラズマブラストに分化誘導させたところ、プラズマブラストのみが特異的にIL-10を産生することが明らかになっていて、やはり多発性硬化症のメカニズムにかかわっているとみられるそうです。
ちなみに、プラズマブラストとは、リンパ球のひとつであるB細胞から分化誘導された細胞のことで、形質芽細胞とも呼ばれるようです。
多発性硬化症の脳脊髄炎を抑える方法がわかりつつあるというのは、喜ぶべきことだと思います。筋痛性脳脊髄炎など、別の形態の脳脊髄炎にも役立つことがわかってきてくれたら嬉しいです。