平成27年5月15日・16日に山口県で開催された「第11回 日本疲労学会総会・学術集会」で、「木の部屋」に子どもの精神的疲労の緩和効果があることが発表されたそうです。
理化学研究所の水野敬研究員らが「子どもにおける木質内装空間の抗疲労効果」として扱いました。
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共同研究成果に関する紹介記事が発信されました | 大阪市立大学 健康科学イノベーションセンター
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大阪市立大学と理化学研究所、積水ハウスは、2014年8月に、小学5年生から中学3年生の31名を対象に、本物の木で作った「木の部屋」と別の材質の「白い部屋」の抗疲労効果の違いを調べました。
すると、次のようなことが分かりました。
■疲労回復効果:
疲労感には明確な差がなかったものの、木の部屋で課題をこなした後だけ副交感神経の活動が上昇しており、疲労回復効果が高かった。
■認知機能維持:
注意力の低下が抑えられる効果が認められ、これは脳の前頭前野の活性が維持されるためと考えられる。
木の部屋のどの部分が、これらの効果をもたらしたのかは突き止められていませんが、木材を部屋全体の4~6割程度用い、木の癒やし効果を効果的に活用することが勧められています。
ちなみに2006年に約2000名の小中学生を対象に行った疲労の実態調査では、小学4年生から6年生の9%、中学生の19%が1カ月以上続く疲労状態にあり、子どもの疲労が深刻な状況であることがわかっています。