くらしナビ・ライフスタイルに福井大の友田明美先生のインタビュー記事が載せられています。無料の会員登録で読めるようです。
くらしナビ・ライフスタイル:虐待で脳に深刻ダメージ 福井大「子どものこころの発達研究センター」・友田明美教授に聞く - 毎日新聞 |
虐待を受けた子どもの精神的トラブル(うつやPTSD、記憶や体験がバラバラになる解離性障害、養育者から愛情を得られずに発症する愛着障害など)はよく知られていますが、脳画像の解析によってさらに具体的なことがわかってきました。
■性的虐待を経験した人の脳は、視覚をつかさどる「視覚野」の容積が減少
■頻繁にDVを目撃して育った人は、脳の視覚野の一部が6%萎縮
■暴言虐待では、会話や言語をつかさどる「聴覚野」の一部が14%拡大(脳は成長するとシナプスが減少してしまう)
■体罰を長期にわたり経験した人は、感情や理性をつかさどる「前頭前野」が19%萎縮
これは、大きなストレスにより、副腎皮質から出るコルチゾールが脳にダメージを与えた結果であり、過酷な体験に「適応」するよう脳が過敏に変化しているといえます。
このように虐待経験は、脳に構造的なダメージを与えますが、社会的な支援を得ることでつらい体験を克服し、健やかで穏やかな人生を送る人もたくさんいます。
「私も脳の可塑性(変化する性質)を信じ、治療法などの研究に力を尽くしたいと思っています」と結ばれています。
友田先生の著書の解説については以下の記事もご覧ください。
だれも知らなかった「いやされない傷 児童虐待と傷ついていく脳」(2011年新版) |