治療の助けになるかもしれないと思って、成人心理検査、俗にいうIQテストを受けてきました。正式名称はウェクスラー成人知能検査のWAIS-III(ウェイス・スリー)といいます。
実は前に入院していたときに受けたと思っていたのですが、記録にも記憶にも残っておらず、初めてだったようなのです。あのとき受けたロールシャッハ・テストその他のいろいろな検査は何だったのだろう…。
この絵は特に関係ありませんが、最近描いたものです。最近紅茶党になってしまって、お茶の時間が楽しみです。
ウェクスラー成人知能検査について詳しくは続きから。
ウェクスラー成人知能検査とは
検査の内容は、レイトン教授や脳トレみたいなものです。パズルの並べ替えとか、一問一答クイズ、計算問題などなど。
詳しくいうと、言語性検査には知識、理解、算数、類似、単語、数唱、語音整列が含まれます。動作性検査には、絵画完成 、符号、積木模様、行列推理、絵画配列、記号探し、組合せが含まれます。
これら11個のテスト結果から、4つの群指数、すなわち言語理解(VC)、知覚統合(PO)、作動記憶(WM)、処理速度(PS)の能力値が導き出されます。
また言語性IQ 、動作性IQ 、合成得点による全検査IQが導き出され、 それが、いわゆる知能指数です。
このウェクスラー成人知能検査は、発達障害の可能性を判断するためにも用いられます。それ自体が発達障害の診断につながるものではありませんが、それぞれの群指数の数値に極端にばらつきがある場合は発達障害の可能性が示唆されます。
詳しくは、以下のまとめ記事が参考になります。
【私は発達障害?IQは?】知能検査WAIS-IIIを受けてみた - NAVER まとめ |
IQテストを受けてみて
結論からいうと、IQは122でした。なんとも微妙な数値…。親に「もっと高いかと思ってた」と言われました。それもまたリアクションに困ります…。
■苦痛との闘い
検査は3時間くらいかけて面接で行われるのですが、これが苦痛すぎました。先生に当日は地獄かもしれないよ、と言われていましたが、確かにその通り。CFS患者がIQテストなど受けるものではありません。
面接中は目からの刺激がすごく辛いので、ずっと目を閉じて頭痛と闘っていました。考えを集中するのがきつくて、質問が何を言っているのかさっぱりわからないこともありました。聞いても言葉として理解できないのです。
途中で入る休憩のときは、出歩くでもなく、ひたすら机にへたばっていました。CFSはけっこうよくなってきたと思っていたのですが、やっぱり昔のようにはいかないようです。
■楽しかったものと苦手だったもの
テスト内容で、一番楽しかったのはつみ木のパズルで心理士さんにも早いねと言われました。
逆に難しかったのは歴史問題や一般常識。江戸幕府作った人とか、枕草子書いた人なんて、とっくに忘れてしまいましたよ! 社会に出たことのない人にとって常識はほとんどありません。
一番病気の影響を如実に感じたのは、ワーキングメモリです。上にも書きましたが、聞いた問題を理解できないことがありました。これは、本を読んでいるときに文脈が理解できないのと似ています。
おそらく直前に聞いた(読んだ)ことがらをワーキングメモリに保存できていないために、理解が追いつかないのだと思います。ものすごく脳を鍛える5分間の鬼トレーニング:ものすごく強力な脳トレ 鬼トレで鍛えないとダメでしょうか笑。
数字とひらがなを覚えるテストでは、考えることが苦痛なため、頑張れば答えられそうなのに早々にギブアップしてしまうこともありました。疲れすぎて途中であきらめたり手を抜いたりした問題はけっこうあったように思います。
■なぜかできなかったもの
どのテストもまぁコンスタントにこなした印象はあるのですが、ひとつだけ異常に苦手なテストがありました。一番最初に行う、絵の中に足りないものは何かを見つけるテストです。
序盤から全然見つけることができず、心理士さんから、「もしかして、生活の中で、よくものを無くしたり、探しものが見つからなかったりしませんか」と言われました。確かにけっこうそんな傾向はあるかもしれません。
■群指数の傾向
結果として、群指数のうち、言語理解と知覚統合は「高い」で、作動記憶と処理速度は「平均より少し上」でした。発達障害といえるほどの凸凹はなかったものの、少しばらつきがあったようです。
心理士さんによると、睡眠障害の人はだいたいこんな傾向を示すということでした。睡眠障害によって作動記憶と処理速度が低下しているのか、もともとそんな傾向をもつ発達障害ぎみの人が睡眠障害になりやすいのか、どちらなのかは知りません。
CFSの人はよく頭が働かないといいますが、検査結果が低いことよりも、このようにばらつきがあることのほうが、頭が働かないという認識になるのだと、先生は言っていました。
たとえば、言語理解が高く、やることはわかっているのに、処理速度が低いために頭の回転が追いつかなかったりするわけです。
詳しい検査結果は来月に聞くので、そのときにまた記事にするかもしれません。
感想としては、このような単純な検査で、人の価値が推し量られていた時代があることは、(今もそうなのかもしれませんが)バカバカしく思えます。
しかし、自分にとって何が苦手かつ何が得意なのかを知る上で、このような多岐にわたる検査はとても参考になります。
わたしの場合は、直感的な作業は概ね得意で、ワーキングメモリを駆使するものは苦手という傾向があるとわかりました。来月もっと詳しい話を聞いて、闘病に役立てたいと思います。