ねえねえ、ねこさんどこいくの?
夜のとばりが降りたとき
ねこがいきなり走り出す窓をくぐって飛び越えて
バラのアーチを通りぬけきらきら光るそのお目目
ピンとしゃっきりそのしっぽ今は真夜中ねこ時間
ねこの冒険はじまるよ
今は真夜中ねこ時間
真夜中の冒険を描いたイラスト「今は真夜中ねこ時間」を描きました。巨大な時計と、夜の町をからめてデザインしてみました。
今回のイラストは時計を描きたいという気持ちからはじまり、ラフスケッチの段階で、街や星空など、基本的な構成要素はできていました。巨大な時計を描きたかったのは、BDFFのラクリーカの街が印象に残っていたからかもしれません。
メルヘンチックな町並みを描くのは、まだ練習中ですが、アンティークな街灯や風見鶏、れんが調の壁などを意識して描いてみました。
昼間の町並みの絵も描いてほしいと言われましたが、今回は夜の明かりがテーマだったので、またの機会に挑戦したいと思います。
残念な点は、人物の色が背景と同化してしまったことです。割とよくある問題点なのですが、どうすれば良くなるのかいまいちわかってなくて、これからの課題です。
Non24,DSPSの真夜中の生活
この絵を描こうと思った動機のひとつは、わたしにとって、真夜中の冒険というのは非常に身近なテーマだからです。
わたしは、慢性疲労症候群（CFS）とは別に、Non24(非24時間型睡眠覚醒症候群)とDSPS(睡眠相後退症候群)を持っています。これらはどちらも概日リズム睡眠障害(睡眠覚醒スケジュール障害)と呼ばれる病気です。別々の病気というよりは、体調によって、非24時間型になったり睡眠相後退型になったり、さらには不規則型になったりする、連続した病態と考えられています。
わたしはよく、同じCFSの人としゃべりますが、DSPSやNon24を併発している人とそうでない人とでは、ずいぶん症状が違うと思うときがあります。DSPSやNon24は、主に若年発症のCFSに見られやすいようですが、年配のCFS患者でも同じ症状の人を知っています。
先日、市大で知り合ったCFSの方は、比較的若年発症でしたが、Non24を併発しているために、市大とは別に日生病院にもかかっているという話でした。Non24についての話題が通じ合い、お互い盛り上がりました。
わたしの印象では、概日リズム睡眠障害を抱えていないCFSの方は、どちらかというと疲労のほうを問題にされることが多いように思います。もちろん、その人たちもたいてい睡眠障害に悩まされているのですが、寝ても疲れが取れないとか、うまく眠れない、といった悩みです。昼間の生活がうまくいかないのは「疲れ」のためなので、それが主訴になります。
それに対し、概日リズム睡眠障害があるCFSの人は、そもそも昼間に起きていることができません。真夜中から真夜中に渡り歩いていたり、毎日起きる時間が違っていたりします。昼間の生活がうまくいかないのは「疲れ」のためであるとともに「起きられない」ためでもあるのです。ですから、睡眠障害の占める位置が大きくなります。
わたしが睡眠相後退症候群(DSPS)のときは、朝の4-6時頃に寝ついて、次の日の16時ごろに起きるという生活です。起きたらもう夕暮れなのです。ですから、真夜中が自分の時間になります。
家族や友人と同じ時間を過ごすことはとても困難です。真夜中を孤独にさすらい続け、社会から取り残されていきます。真夜中にたったひとりで散歩にいくようなこともありました。とても静かで、一人っきりの毎日です。
いっぽうで、Non24になっているときは、毎日起きる時間が違うので、身体的にかなりの負荷がかかります。生まれつきNon24の人はそのリズムで生活すると楽なのだそうですが、わたしはCFS発症と同時に後天的になっているので、そのリズムはしんどいです。もちろん社会のリズムとはまったく合いません。
わたしの主治医によると、Non24にはリスパダールかエビリファイが効く場合があり、わたしはリスパダールで流れをほとんど止めることができました。その代わり薬の副作用があるのが残念ですが…。
わたしにとって概日リズム睡眠障害は、CFSそのものよりしんどいと思えることもあります。概日リズム睡眠障害は独特な問題であり、たとえ同じCFS患者でも、この病気を併発していないなら、なかなか分かり合えないものです。
そのようなわけで、わたしにとって夜は、他の人たちよりも身近な存在です。わたしが夜のイラストを描くとき、そこには特別な思いが込められています。夜はわたしにとって、多くの時間を一緒に過ごした友なのです。
ギャラリーはこちらです