睡眠相後退症候群(DSPS)や内的脱同調といった睡眠問題に関する記事が、それぞれ別個に掲載されていました。
DSPSとは
まず以下のコラムでは、現代人に増加する睡眠リズムの乱れとして、睡眠相後退症候群(DSPS)が取り上げられています。
DSPSは生体リズムがバラバラになり、慢性的な疲労感や昼夜逆転を伴う睡眠障害です。うつ症状にもつながりますが、睡眠外来のほうが適切かもしれないと書かれています。
この記事に書かれている夜の光に当たらない、入眠儀式を定めるといった工夫は、一見些細なことのようですが、医学的な治療を受ける場合でも重要だと思います。
DSPSは慢性疲労症候群(CFS)にも合併しやすいことが知られています。
内的脱同調とは
また、各所で話題になっている新刊朝昼夕3つのことを心がければOK! あなたの人生を変える睡眠の法則の著者、作業療法士の菅原洋平さんへのインタビューの記事では、DSPSで体調が悪くなる原因である、内的脱同調について書かれています。
新刊JPニュース - 「寝だめ」が体に良くない理由 - 「話題の本や新刊を耳で立ち読み!─新刊JP─」 |
この本では、深部体温のリズムにメリハリをつけることが、快眠の秘訣であると書かれています。ふつう、深部体温は夕方にもっとも高くなって活動力を高め、深夜に最低になって成長ホルモンを誘発します、
しかしその深部体温リズムが後ろにずれてしまった状態がDSPSであり、睡眠リズムと深部体温リズム、ホルモンリズムなどが咬み合わない「内的脱同調」と呼ばれる状態に陥ります。
内的脱同調が生じると、寝ているときに深部体温が下がらないので疲れが取れず、起きるためのホルモンが朝に分泌されないので、朝起きられなくなります。日中は脳の覚醒レベルが下がり、音や光などのストレスに敏感になったり、いつも眠かったり、妙に痒かったりするようになります。
この本では内的脱同調に陥らないため、以下のようなアドバイスが書かれています。
■ 起床から4時間以内に5分ほど窓の外の光を見る。
■ 起床から6時間後に5分ほど目を閉じ、眠気を払う。(仮眠でなく目を閉じるだけでOK)
■ 起床から11時間後に5分ほど姿勢をよくして体温を上げる
■ 夕方の深部体温が上がるはずの時間帯(起床から11時間後)に寝ない
■ 明け方の深部体温が下がるはずの時間帯(起床から22時間後)に起きていない
■ 休日・平日の起きる時間を一定にする。休日数時間寝溜めするのは、時差のある外国に旅行に行っているようなもの
■ 眠る1時間前のタイミングで、入浴や軽いエクササイズをして体温を上げ、深部体温が下がりやすくする。しかし寝る直前の食事はNG
■ 寝るとき頭(首はNG)に冷やしタオルなどを当てて、脳温が下がりやすくする
睡眠相後退症候群(DSPS)は子どもの不登校の主要な原因のひとつとして注目されています。DSPSや内的脱同調について詳しくは、このブログの以下の記事をご覧ください。
DSPSについて | 内的脱同調について |
夜眠れず朝起きられない「睡眠相後退症候群(DSPS)」にどう対処するか(1)DSPSとは | 慢性疲労につながる「非24時間型睡眠覚醒症候群(non-24)」にどう対処するか(3)CFSとの関わり |