顎関節症の原因として有力視されているという歯列接触癖(TCH)についてのニュースがありました。TCHを治療して顎関節症がよくなれば、さまざまな症状がなくなる可能性があるそうです。しかもそれは自宅で治療ですることができます。
■顎関節症とは
「口を大きく開けられない」「顎の周りが痛い」「口を開けると顎が鳴る」が主な症状で、成人の2人に1人が一生に一度は経験するそうです。
自然に治る人が多いですが、長期化して、うつ病などの精神疾患や、原因不明の肩こり、頭痛、腰痛などの慢性疼痛につながることもあるといいます。
■歯列接触癖(TCH)とは
東京医科歯科大歯学部付属病院で顎関節治療部長を務める木野孔司先生は、2000年ごろから東京慈恵会医科大と共同で、顎関節症に影響する要因を調べたそうです。
かみ合わせ、頬づえ、歯ぎしりなどさまざまな要因を探った結果、統計学的に関係があると言えるのは歯列接触癖(TCH)だけでした。顎関節症の患者の約8割にこの癖があったそうです。
この歯列接触癖(TCH)とは、上下の一部、または全部の歯が、日常的に接触してしまっている状態を言うそうです。
歯の接触によって顎に力が加わり続けると、血液循環が悪くなり、摩擦抵抗が増大して、顎関節症になりやすくなります。
TCHが起こる原因は、ストレスなどで歯を食いしばるくせが付くことです。特に仕事でパソコンを使う人の発症率は、そうでない人の2・2倍に達していたそうです。またうつ病などの病気によるストレスが原因となることもあります。
TCHがあると、歯のかぶせ物がすぐに取れたり、歯周病がなかなか治らなかったり、原因不明の歯の痛みが起こったりもします。顎関節症としてひどくなると、食事のために口を開けようとすると激痛が走るようにもなります。
■TCHの改善法
記事によるとTCHの改善には3つのステップが役立ちます。
(1)こめかみと顎に指を当て、上下の歯を合わせた時に筋肉が収縮し負荷がかかっていることをしっかり認識する。
(2)日常生活で目につく場所10か所以上に「歯を離す」「顎の力を抜く」「リラックス」といったメモを張り、それらを目にする度に力を抜く。
(3)意識せずに歯が離れるようになれば「修正」は成功。3カ月程度かかる
■いろいろな症状がなくなる!
TCHを治療すればいろいろな症状がなくなるそうです。
「TCHがなくなったら腰痛、頭痛、肩こりまで治ったと言う患者さんもいます。
歯が接触していると、体が活動する時に働く交感神経が常にオンになって緊張状態が続き、それが腰痛や肩こり、頭痛などの原因になると考えられます。
自律神経の乱れは不眠やうつ病、胃腸の病気にもつながりやすいので要注意です」。
TCHについて詳しい情報は、こちらのホームページに載せられています。