認知症、アルツハイマー病の薬であるメマンチンが線維筋痛症に効くというニュースがありました。
この記事は会員登録が必要ですが、線維筋痛症の患者のいくつかの脳領域でグルタミン酸濃度が上昇していることが明らかとなったため、メマンチンが使用されたことはわかります。
この論文については線維筋痛症 - Wikipedia でも記載されていて、こう書かれています。
メマンチンなどのグルタミン酸受容体(NMDA)遮断薬が線維筋痛症に有効との説があり、二重盲検試験でもメマンチンが有効であった。(メマンチンの日本での適応症はアルツハイマー型認知症のみで、線維筋痛症へは保険適用外。)
メマンチンが線維筋痛症に有望│kusuriya3ではスペインの研究について、英文ニュースを翻訳してくださっています。
それによるとメマンチンは脳内の余分なグルタミン酸を遮断する働きをして、認知症の進行を遅らせる薬だと書かれています。線維筋痛症では、痛みが和らぐだけでなく、ブレイン・フォグ(brain fog)や不安なども軽減したとのことです。
調べてみると、(わたしは英語は読めませんが)外国のME/CFSを取り上げているサイトに、メマンチンに関する記事があったりして、比較的新しいメマンチンという薬がいろいろな疾患に効果があるかもと言われている段階のようです。
国内の話では、子宮頸がんワクチン、専門家の見解は | 医療介護CBニュース によると、最近話題になっている子宮頸がんワクチンによる線維筋痛症のような症状(HPVワクチン関連神経免疫異常症候群(HANS))について、ステロイドパルス療法やプレガバリンやメマンチンが選択肢になるかもしれないと書かれています。
直接関係はありませんが、認知症の薬というと、学校を捨ててみよう!―子どもの脳は疲れはてている (講談社プラスアルファ新書)では、小児慢性疲労症候群の学習・記憶障害(ブレイン・フォグと関連していると思われる)の治療にアルツハイマー病に用いられる抗コリンエステラーゼが有効であると考えられる、ということが記されています。(p206)
今後の研究や日本での進展に期待したいです。