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慢性疲労症候群から治った有名人、ベルセバのスチュアート・マードック

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日の音楽系ニュースで初めて知ったのですが、有名バンド ベル・アンド・セバスチャンの中心的なアーティスト、スチュアート・マードックが慢性疲労症候群(CFS)だったそうです。

ベル・アンド・セバスチャン 『天使のため息』 - 花の絵

慢性疲労症候群と闘ったスチュアート・マードック

ベル・アンド・セバスチャンとは、1996年にスコットランドのグラスゴーにて結成されたロック・ポップバンドだそうです。

名称は、「ベルとセバスチャンというカップルがグラスゴーで作る音楽」との設定に基づいているそうです。作風はしんみりした悲しい雰囲気と書かれています。

バンドがスタートした時点でのメンバーはスチュアート・マードックとスチュアート・デイヴィッドのみでしたが、その後大勢が参加しました。スチュアート・マードックは今も現役です。

スチュアート・マードックは、バンドのヴォーカル/ギターですが、大学生のころから慢性疲労症候群に苦しめられたと書かれています。

大学時代に慢性疲労症候群を患って通常の社会生活を送ることができなくなり、7年近く実家に半ば引きこもっていた彼が、ピアノに向かって曲を作る楽しみを知ったのがベルセバの始まりだった。

ようやく自分の存在理由を見つけたスチュアートが一気にのめり込んだのは無理ないだろう。

その後病気から回復すると人前で曲を披露するようになり、スチュアート・デイヴィッド(ベース/現在は脱退)との出会いを機にバンド結成を思い立つ。

英語版WikipediaのStuart Murdoch (musician)には、彼自身の言葉も綴られています。(翻訳は大雑把です)

---以下部分的な翻訳----

1980年代末に大学に行く一方で、彼は筋痛性脳脊髄炎、または慢性疲労症候群という病気になって、7年間、働くことができなかった。マードックは、これらの年の孤独は、ソングライターになることにつながったと言う。

「それは当時、大きな砂漠、私の人生における真空のようなものだった。そこから、これらの曲は出てきたんだ。これらのメロディーは、私が感じたものを表現できる場所だった」

1995年のはじめ、彼は信用する信仰治療師によって病気から大きく回復し、バンドを組むために仲間のミュージシャンを探すようになった。それがベル・アンド・セバスチャンになる。

 

この情報だけではよくわかりませんが、人生に目的を見つけたことが治ろうという強い意志になり、病気を克服する助けになったのかもしれません。

大きな砂漠、真空のように、ぽっかりと心に穴が開いたように感じ、あてどなくさまよっていたところへ、音楽によって自分を表現するという手段を得たことが、後の飛躍のきっかけになったようです。

信仰治療については、ME/CFS ... THE invisible DISEASE - "I want to bring people weeping to their knees" - Stuart Murdoch を見た感じではキリスト教の信仰が助けになったのかもしれません。

San Francisco Love Story | Feature | San Francisco | San Francisco News and Events | SF Weekly では、健康のために暖かいところへ行こうと、サンフランシスコへ旅行したことがギターを学ぶきっかけになったことが書かれています。

だから僕は歌う

次に挙げる日本語のサイトでは、彼の歌の中で闘病時代のことが語られていると紹介されています。

今どきベルセバなの? あるいは、そもそもベルセバって何? というユースに教えます。 2015年の「今こそベルセバだ」という理由 | the sign magazine

その歌は「Nobody's Empire」(だから僕は歌う)というもので、日本語訳の字幕付き動画で聴くことができます。

 

「ベッドに寝転がって、僕はフランス語を読んでいた/明かりが僕の感覚には眩しすぎた/この隠れ場からは人生は耐え難かった/やかましくて荒っぽくて/壁の方を向くと老いた男が/夢の中から、おまえはそのまま死ぬのだと言った/でも見知らぬところで、きみは手を回していた/きみには違うアイデアがあったんだ」

「僕は子供みたいだった、藁みたいに軽かった/父は僕を抱え上げ/連れていかれた場所で僕の身体は診察された/魂は宙を浮いていたよ/僕はベッドにしがみつき、過去にしがみつき/闇の誘惑にしがみついていた/でも夜の向こう側には/くっきりと青信号が見えた/狂乱の前の静けさだよ」

Belle & Sebastian's new record is about ME/CFS | Phoenix Rising ME / CFS Forums でも、彼のこの歌がME/CFSについて述べていると解説されています。

明かりがまぶしいとか、そのまま死ぬのだと夢の中で言われるとか、ベッドにしがみつくとか、文字通りの意味だとしたら、確かに闘病生活について語っているように思えます。

スチュアート・マードックは、そのような追い詰められた状況にありましたが、「くっきりと青信号」が見え、病気から回復して、現在では映画の監督まで務めるようになりました。

慢性疲労症候群は人によって大きく異なる病気なので、ある人がどのように治ったか、ということを知っても、参考になるとは限りません。

しかし、長年の闘病から回復して元気に活動しているスチュアート・マードックのような人がいることは励みになるのではないでしょうか。


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