兵庫県立リハビリテーション中央病院、子どもの睡眠と発達医療センターについてニュースになっていました。
記事の中では、「早寝早起き朝ごはん」をしようと努力してもできない子どもたちのことが書かれています。
そうした子どもたちは、塾通いや部活などで疲弊しているためにそうなってしまっていて、努力の不足ではありません。
小西行郎先生によると、
「眠りの核となる午後十一時~午前三時の時間帯に、しっかりと睡眠が取れていない」
「規則的な生活を習慣づければ治るレベルではなく、治療が必要な子も出てきた」
と指摘されています。
記事では子どもの睡眠障害を予防するためのチェックポイントとして、
■午前中ボーっとして集中できない
■すぐにカッとなる
■体重、身長の伸びに変化
■部活の記録が伸び悩む
■頭痛・腹痛や保健室利用が増える
■授業中の居眠り
→通常の学校生活ができるが、不調で休養を要する状態
■微熱がある
■帰宅と同時に眠ってしまう
■月曜日などになんとなく休む
→危険信号。早めに専門医に相談を
(兵庫県立リハビリテーション中央病院 子どもの睡眠と発達医療センター「子どもたちの疲労と生活リズム」をもとに作成)
というリストが設けられています。
そういえば、わたしが倒れる前も、しばらく、微熱が続いたり、帰宅と同時に眠ってしまったり、週の半ばにあまりに疲れて休まざるを得ないようになっていたのを思い出しました。
また気になる情報として、こうした睡眠障害は、糖尿病や発達障害とも関係しているという、報告も書かれています。
なんと
■25%が糖尿病予備軍とされる境界型糖尿病で、インスリンの分泌パターンに異常が見られている。
というデータがあるそうです。
同センターに入院している患者の一部は小児慢性疲労症候群(CCFS)なので、このデータからすると、小児慢性疲労症候群の患者には自閉スペクトラム症が多いことになるかもしれません。
以前に三池先生の書かれた資料では、背景に発達障害が多いという考えは否定されていましたが、見解が変わったのかもしれませんし、患者層に変化があったのかもしれません。
また、子どもの不定愁訴の背景に自閉スペクトラム症が見られるというのは、若年性線維筋痛症の素因として、しばしば自閉スペクトラム症が見られるとされていた最近の見解とも似ている気がします。
また糖尿病に関しては、最近も、糖尿病と睡眠障害が密接に関連しているというニュースがありました。
大阪市立大の稲葉雅章教授らのチームによると、糖尿病患者に起きやすい睡眠障害を治療することで、糖尿病そのものが改善したそうです。
稲葉教授はこう述べています。
「糖尿病と睡眠障害は密接に関連しており、両方を治療することが重要かもしれない」
これらの情報から考えると、慢性疲労症候群や睡眠障害を抱えている若い人や、子どものころにそれらを発症した人は、素因としての血糖値の問題や自閉スペクトラム症について考えてみる必要がありそうです。