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イヤホン型光治療器「ヒューマンチャージャー」、耳の奥から脳に光を当てて時差ボケを治す発明

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ィンランドで発明されたイヤホン型光治療器についてのプレスリリースが出ていました。

光るイヤプラグを身に付けることで、時差ボケの解消が早くなるという実験結果が出ているそうです。

ヒューマンチャージャーのヘッドセットが時差ボケを軽減 高照度光治療器による世界初のプラセボ比較臨床試験 | 共同通信PRワイヤー

フィンランドの光治療用ヘッドセットメーカー、バルキー(Valkee)が開発した時差ボケ軽減用医療機器「ヒューマンチャージャー」はiPodのような形をした、光治療器です。

イヤープラグの先にLEDが埋め込まれていて、耳につけると奥で発光し、外耳道を通って、光に反応する脳の領域に高照度光を当てるようです。(耳が光を感受するわけではなく、あくまで耳を通して脳に光を当てるということ)

詳しくは公式サイトの画像を見てください。

HumanCharger - Conquer jet lag twice as fast

耳の奥から脳に光を当てて時差ボケ解消

実験は、55人の健康な人々を対象に、フィンランドから北米まで飛行機で往復して7-10時間の時差を経験させた後、北米で1週間過ごす間に、一日4回12分ずつ、耳の奥(光に反応する脳の領域)に高照度の光を当ててもらった、というものだそうです。

高照度光治療器による初の完全な二重盲検(ダブルブラインドテスト)の時差ボケ試験で、だれがプラセボで、だれが治療群なのか、関係者側も被験者側もわからないようにして実施されたそうです。

すると、プラセボ群(30人)が時差ボケから回復するのに7日以上かかったのに対し、治療群(25人)は3-4日で回復しました。

また主観的眠気や疲労・無気力・物忘れの感覚についても、明らかに差があったとのこと。

目以外の場所に光を当てて時差ボケ回復を試みる研究としては、過去に膝の裏に光を当てる、というものがありましたが、あちらは後の研究によって否定されてしまいました。

今回は耳の奥の外耳道を通って、脳そのものに光を当てるとのことですが、かなり信頼のおける実験がなされたようです。

バルキーは、オウル大学との共同開発で、季節性うつ病(季節性情動障害:SAD)の治療用のヘッドセットも出しているそうですが、概日リズム睡眠障害(睡眠相後退症候群など)の治療にも使えそうですね。

バルキーのヘッドセットによる、季節性情動障害への効果についての各研究の成果は、こちらのサイトの方がまとめてくださっていました。

うつ病の光治療 耳から対策Valkeeの効果② 知っておきたい臨床試験結果8つ: 仮面うつ病の治療方法!身体症状25項目、精神症状11項目でまずはチェック!

イヤホン型となると、以前取り上げられていたようなゴーグル型と異なり、装着も楽ですし、人前で付けても違和感がなさそうです。外につけて行けば、目から入る太陽光との相乗効果も期待できるかも、と思ってしまいます。

問題は、日本でいつか発売される可能性があるか、ということですが、さまざまな形態の光治療器が開発されるようになってきていますし、今回のように「航空医学とヒューマン・パフォーマンス」といった有名誌に載れば、開発も進むのではないでしょうか。

時差ボケの薬の開発も進んでいると聞きますが、10年くらい経てば、今のところあまり打つ手のない概日リズム睡眠障害の治療法がガラリと変わっている、というような未来も期待できるかもと思いました。


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