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子どものADHDと大人のADHDは別物?

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どものADHDと大人のADHDにあまり関係がなかったとする、デューク大学によるニュージーランドのコホート研究のニュースが出ていました。

9割の成人ADHD、小児期の病歴とは無関係|医師・医療従事者向け医学情報・医療ニュースならケアネット(登録サイト)

大人 ADHD は個別の状態であることができます│NEWS MEDICAL(機械翻訳)

上記2つはちょっと読むのが難しいのですが、こちらの精神科医の方のサイトで内容が詳細に紹介され、SNSでもかなり話題になっていました。

子どものADHDと大人の「ADHD」 —ダニーディンのコホート研究から— - A Fickle Child Psychiatrist

ニュージーランドのダニーディンという街で生まれた子どもたちを追跡調査したコホート研究によると、11歳、13歳、15歳の時の子ども時代のADHD診断と、38歳時点の大人のADHD診断には、あまり関係がなかったそうです。

子どもの頃にADHD診断を受けた61人のうち、大人のADHDと診断されたのは3人だけで、大人になってからADHD の診断を受けた31人のうち、子どもの頃にADHDの診断を受けていたのは4人だけだったそうです。

これはつまり、大人のADHDと子どものADHDは異なる集団なのではないか、同じ発達障害というくくりでくくってしまっていいのだろうか、という意見が書かれています。

ADHDのタイプの違い?

これだけでは情報が少ないですし、わたしは英語の元論文を読めていないので、はっきりとしたことは言えないのですが、早急に大人のADHDのほとんどは発達障害ではなかったという結論は下せないと思います。

ADHDにはいくつかのタイプがありますが、多動-衝動性優勢型や混合型は子ども時代に気づかれやすいのに対し、不注意優勢型は、(子ども時代から不自由を抱えているとはいえ)比較的気づかれにくいと聞いたことがあります。

多動という形で人に迷惑をかけたりせず、(のびた型と呼ばれているとはいえ)成績も意外といいことが多いので、社会に出るまで大きく頓挫することはないのだそうです。

多動性と衝動性は大人になると症状がなくなることもあるのに対し、不注意は治らないとも読んだことがあるので、大人になってから問題が残る人の中には不注意優勢型がかなりいるような気がします。

子ども時代にADHDと診断された人と、大人になってから診断された人は、タイプが違うのかもしれません。

そうなると、多動のあるADHDと、多動のないADDは同じものなのか、という問題も生じてきそうですが…。

ADHDが誤診の可能性も

もしも、そうした不注意優勢型としての症状さえ子ども時代に見られず、それでも大人のADHDと診断されたのであれば、それは診断が間違っていると思います。

子ども時代に症状がなく、大人になってから出てきたのであれば、それは発達障害ではありませんし、生活習慣などによる、ADHDに似た症状なのではないでしょうか。

睡眠不足の状態が続けば、ADHDと似たような症状が出る、ということは以前から言われていますし、 発達障害(ADHD)と診断されたのが、じつはビタミンB群欠乏と鉄欠乏、低血糖症だったというのも読んだことがあります。

子どものときから症状が出ているわけではなく、大人になってから生じたADHDというのは、就職したことによる睡眠習慣の変化や、独り立ちしてからの食習慣の変化が影響している一時的な症状、という可能性もあるのではないでしょうか。

近年の発達障害の過剰診断によって、本来ADHDではないはずの人たちADHDだと誤診されている、という点をこの研究が示しているのだとしたら、それは大きな問題であるといえます。

しかし、その陰で、確かに大人のADHDであり、子どものときから苦しんできた人がいる、ということも見逃すべきではないでしょう。

▼大人のADHDについて詳しくはこちらをご覧ください
「よくわかる大人のADHD」の10の特徴・チェックポイント | いつも空が見えるから

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