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線維筋痛症(FM)の実態調査―8割が「理解されず辛い」(シオノギ製薬/イーライリリーによる)

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オノギ製薬と日本イーライリリーが、インターネットアンケートによる、線維筋痛症(FM)の実態調査を実施し、その結果を発表していました。

2012年2月XX日 - 150827.pdf
2012年2月XX日 - fm_1508.pdf
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塩野義/日本リリー 線維筋痛症患者、痛みで6割以上が生活に支障│医薬経済社 はてなブックマーク - 医薬経済社

調査に参加した人たちの統計

調査期間:2015/5/15~18

対象:全国の20歳以上309名、医療機関で線維筋痛症と診断され、現在治療中、または過去に治療していた

性別:男性60.8%、女性39.2%

年齢:20~29(34.6%)、30~39(18.4%)、40~49(15.9%)、50~59(16.5%)、60歳以上(14.6%) 既婚は58.3%

居住地:関東(38.8%)、近畿(28.2%)、中部(12.9%)、九州(8.1%)、北海道(3.6%)、四国(3.2%)、東北・中国(それぞれ2.6%)

この統計を見る限り、一般の線維筋痛症の統計とはかなり違っているように思います。特に男性が6割というのは、特徴的です。一番多い世代も20代となっています。

インターネットアンケートによる調査、ということがかなり関係しているのかもしれません。

それで、この実態調査が、患者の一般的な悩み事を正確に反映しているかというと、かなり特定の立場の人のバイアスが反映されているように思いますが、一応、結果をまとめておきます。

実態調査の結果

以下の結果は、高い方から順に記載して、数値が低いものは除外しています。

また、◯◯%+△△%と併記している場合、◯◯%は「はい」、△△%は「どちらかといえばはい」の割合を示しています。両方を合わせた割合が、その項目で悩んでいる人の割合に相当します。

全データを見たい場合は、上記のリンク先PDFを閲覧してください。

痛みの影響

■痛みがひどくなる季節

梅雨(49.8%)、春(45.0%)、冬(40.1%)

■痛みが生活に与える影響

仕事(71.5%)、日常生活(68.6%)、趣味(33.3%)、対人関係(21.4%)

■痛みの影響が出る活動

起床(60.2%)、就寝(48.2%)、着替え(39.5%)、掃除・洗濯(37.9%)、買い物(35.3%)

生活がどう変化したか

■趣味やライフワークを行わなくなった(14.6%+65.4%)

■通勤・通学ができないことがある(39.2%+23.9%)

■家事ができないことがある(42.1%+32.7%)

■仕事がうまくいかず評価が下がったことがある(36.2%+25.2%)

■痛みで仕事をやめたことがある(59.3%)

■車いすを使ったことがある(41.7%)

精神的な苦しみ

■家族や職場に理解されず辛いことがある(50.5%+29.8%)

■怠けていると言われたことがある(38.2%+30.4%)

■周囲に迷惑をかけていると思う(49.8%+30.7%)

■周囲に迷惑をかけるのが怖いと思う(46.3%+31.7%)

家庭生活

■予定していた結婚をやめたいと思ったことがある(25.2%+13.3%)

■離婚したいと思ったことがある(23.3%+19.7%)

■結婚が破談になったことがある(32.8%)

■離婚をしたことがある(28.9%)

治療の効果

■薬の効果が実感できず、変更したことがある。(74.4%)

■薬を自分で中断したことがある。(57.1%)

■薬で改善していると思う(33.7%+32.0%)

■治療に満足している(18.4%+37.2%)

■満足していない理由

痛みが改善されない(63.5%)、選択肢が少ない(43.1%)、高額すぎる(33.6%)

■何かがきっかけで、神経が過度に興奮することが痛みの原因だと思う(42.7%+35.3%)

まとめ

この実態調査からわかる大まかな傾向は、

■7割の人が仕事や日常生活に支障を感じている
■7割半の人が家事ができないことがある
■5割の人が起床・就寝といった睡眠に悩んでいる
■7割から8割の人が理解されない・怠けていると言われるといった精神的な苦しみを感じている
■6割の人が薬で改善する

といったものでしょうか。薬で改善するのは6割、というのは、先日のNHKきょうの健康で村上正人先生も言っておられましたね。

意外にも、痛みで対人関係で支障が出ている人は2割なので、同僚や家族に理解されないという苦しみを抱えつつも、何とか対処していたり、患者同士の交流を通じて補ったりしているということでしょうか。

どの程度、患者全体の声を反映している調査なのか、というと、男性患者や若い患者の声が比較的多いのかもしれませんが、患者の実情を訴える貴重な報告だと思います。


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