疲労研究の最先端を行っている大阪市大の研究で、特定の香りが疲労を緩和する仕組みが明らかにされたそうです。
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6つの嗅覚受容体が抗疲労に関係
大阪市立大学の渡辺恭良特任教授と山野恵美特任助教授、そして花王の感性科学研究所によると、人間に備わっている約400の嗅覚受容体のうち、6つが抗疲労効果に関係していることがわかりました。
すでに抗疲労効果が知られている2つの香り、「グレープフルーツ精油」と「Hex-Hex Mix」(いわゆるみどりの香り)に反応する部位を調べたところ、6つの嗅覚受容体が反応し、情報伝達物質も増加していたそうです。
抗疲労の香り成分「MCMP」を開発
それで、それらの受容体をターゲットにした新しい香り「MCMP」を調合し、成人男性17人に嗅いでもらったところ、40分のパソコン作業の効率低下が抑えられたそうです。
「MCMP」は、「メチルイソオイゲノール」「l-カルボン」「メチルβナフチルケトン」「フェニルエチルアセテート」の4種類の香料の混合物で、ハチミツのような甘い香りがするそうです。頭文字をつなげてMCMPということでしょうか。
今後、科学的に疲労軽減効果が証明された商品開発につなげるとのことです。
大阪市大の抗疲労効果のある香りの研究というと、以前、みどりの香りことグリーンリフレッシャーが商品化されていましたが、いつの間にか販売終了していました。
採算が取れなかったのかな、と思っていたのですが、研究そのものは生きていたようでよかったです。「快眠健康ナビ」などでも抗疲労の香りを使うと言われていましたね。
ただし、今回使われた「グレープフルーツの香り」などは、慢性疲労症候群の人だとかえって疲労感が強くなったという報告も以前にありますので、MCMPがCFSの人にも役立つのかどうかは、今後の研究をみないとわからないかもしれません。
現状使われている芳香剤などは、疲労緩和どころか気分が悪くなるようなものばかりで、化学物質過敏症の人なども苦しんでいますから、さらに開発が進んで体に優しい香りが実用化されたらなぁと思います。