いつも疲れていて疲れが取れない。その原因はアドレナル・ファティーグ(副腎疲労症候群)かもしれません。
前回のエントリでは、アドレナル・ファティーグの原因は何かを解説しました。アドレナル・ファティーグは、食習慣や仕事などさまざまなライフスタイル上のストレスが重なりあうことで生じます。
この3番目のエントリではアドレナル・ファティーグは、どんな検査によって見つけることができるのかを説明します。内容は書籍医者も知らないアドレナル・ファティーグ―疲労ストレスは撃退できる!にもとづいています。
アドレナル・ファティーグの検査方法
慢性疲労症候群に比べて、アドレナル・ファティーグという概念が優れているのは、簡単に検査する方法がある、ということではないかと思います。
といっても、どの病院でも行われているような標準的な検査では、前述した副腎機能が極めて高いクッシング病と、極めて低いアジソン病しか指摘されません。
検査では「正常範囲内」にあると言われる場合でも、数値をよくみて、それが低値ではないか、相対的に低下していないか調べることが必要です。
「ハリソン内科学」にはこう書かれています。
正常な母集団において、ほとんどのホルモンの血中濃度は非常に広範である。結果として、ある人のホルモン濃度が半分に減ったり、二倍に増えたりしても(当人にとっては異常であるのに)、いわゆる正常範囲に含まれる可能性がある。(p105)
唾液ホルモン検査
副腎疲労症候群の検査にもっとも適しているのは、唾液ホルモン検査という最近可能になった検査方法です。唾液ホルモン濃度は、細胞の外を循環している血液を調べる場合に比べ、細胞内のホルモン量をよりよく示します。(p98)
唾液検査をするには、1日に4回以上検体をとる検査キットを用います。目覚めてから1時間以内のコルチゾール濃度が最も高い朝6-8時、そして11-12時、午後4-6時、午後10-12時に検査します。
また、症状が軽いと思える時間にとった検体と、特に悪い時間にとった検体を比べることで、症状と副腎機能低下が関連しているかどうかがわかります。
ま液ホルモン検査では、DHEAsの濃度も測定します。副腎はDHEAsの主要な供給源だからです。(DHEAについては必ずしもそうではない)。DHEAsやテストステロンが低ければ、加齢が進行している可能性があります。
ちなみにわたしは、(血液検査ですが)、21歳のとき、DHEAsの値が163でした。その年齢の男性の基準値は138-519のようですから、コンピューターによる判断では基準値内と出ますが、かなり低値といえます。
24時間尿中コルチゾール検査
24時間にわたって尿中に排出されたホルモンを調べますが、24時間の尿すべてがひとつの容器に集められるため、高低の差が互いに打ち消し合ってしまうことがあります。
ACTH負荷検査
循環コルチゾールの濃度をはじめに測定した後、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)のような物質を注入し、副腎が刺激に対してどれほどよく反応するかを調べます。
質問票に答える
この本のP70-90には、アドレナル・ファティーグを調べるための詳細な質問票が載っています。臨床的に極めて有用で、価値が実証されているものだそうです。その問いの答えれば、自分がどの程度のアドレナル・ファティーグであるかがわかります。
健康暦年表をつくる
推理小説の犯人探しと同様のことを自分に対して行います。自身が主役の探偵であり、被害者でもあり、犯人でもあることがあります。(P91)
最後に体調の良かった日の2年前から、どんなできごとがあったか、体調はどうだったかなど、できるかぎり情報を洗い出します。事故、病気、心的外傷、生活習慣の変化などをすべて列挙します。
最後にそれらの情報を時系列順に並べ替えます。アドレナル・ファティーグがいつ発症したのか、どのような原因で発症したのかがわかるので、治療計画に役立ちます。
わたしも自身の治療のために、かなり細かく健康暦年表をつくり、先生に見てもらいました。
ここまでのところで、副腎疲労症候群を調べる方法についてまとめました。では、副腎疲労症候群を治療するにはどうすればよいのでしょうか。
続く4番目のエントリでは、治療のための食習慣をまとめたいと思います。