慢性疲労症候群についてヨミドクターで記事がありました。
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患者さん自身が「十分休息をとっているのに、倦怠(けんたい)感が抜けず、やる気が起こらないから慢性疲労症候群に違いない」と決めてしまい、医師からそれを否定されると、「納得がいかない」とおっしゃいます。
という問題について書かれています。慢性疲労症候群と慢性疲労が混同されているために起こる、ヘルスコミュニケーションのギャップだと書かれています。また、現在受けているうつ病・神経症・更年期障害・自律神経失調症等の治療で改善しないから、「慢性疲労症候群ではないか」と思ってしまう、ということが書かれています。
問題は、以下の二点が十分知られていないことにあるようです。
■慢性疲労症候群は慢性疲労とは違う
■慢性疲労症候群と診断されても完治する治療法はない
インターネット上でも、この二点の誤解はよく見ますね。ずっと疲れているから、慢性疲労症候群ではないかと疑う人、慢性疲労症候群と診断されたら治療できるのではないかと期待する人はしばしば見かけます。
実際には、慢性疲労症候群はもっと重い病気であり、治療法はこれといってありません。
この記事では、治療についてこう書かれています。
ただ休息するだけではなく、適切な治療が必要で、10年以上症状が長引いてしまうこともあります。過去に抗ウイルス薬、ガンマグロブリンの投与、血漿(けっしょう)交換、免疫調整薬が有効という報告がありますが、実施している医療機関はほとんどありません。
それよりは、十全大補湯、補中益気湯などの漢方薬をおすすめします。うつ病や双極性障害の併存がある場合は、抗不安薬などの感情調整薬、大量ビタミンCの投与などを、根気よく続けていった結果、長期的に有効な症例もあります。いずれにしても、動けなくなる状態になるまで、我慢している必要はありません。
抗ウイルス剤などについては前に市大で実施されていたと主治医に聞いたことがあります。効く人もいたけれど、結局ドーパミン系の薬の使用に道をゆずったとか。ガンマグロブリンは高額すぎたとか聞きましたが… ほかのものは知りません。こういう治療もひと通り試せるようであればいいのですが、難しいのでしょうか…。