可視光のブルーライト(青色光)で、目が傷つくことは前から知られていましたが、ブルーライトを当てると虫が死ぬ場合があることが東北大学の堀雅敏准教授らの研究でわかったそうです。
▼関連ニュース
青色光を当てるとハエ・蚊などの昆虫が死ぬことを発見、ブルーライトで人間の目が傷つくのと似た仕組み - GIGAZINE
紫外線の中でも波長が短いUVCやUVBは生物に対して強い毒性をもつことが知られているので、UVカットの商品がよく使われています。
しかし、紫外線よりも波長の長い可視光でも、昆虫のような動物に対して致死効果があることがわかったといいます。ある種の昆虫では、紫外線よりもブルーライトのほうが強い殺虫効果が得られるそうです。
これはブルーライトによって目の細胞や組織が傷つく仕組みと同様だとされています。
ブルーライトが目に及ぼす影響については、6月9日に、岐阜薬科大学の原英彰教授らが研究成果を発表していました。
その研究によると、青色LEDおよび白色LEDを当てると、視細胞に細胞障害が起こり、緑色LEDでは細胞障害は起きませんでした。また、細胞障害の原因となる活性酸素の量は、青色LED、白色LEDの順に多く、緑色のLEDでは増加しませんでした。
ブルーライトで活性酸素が増えると、エネルギーを作るミトコンドリアが障害を受け、次いでタンパク質を合成する小胞体に障害が起きることで組織が損傷するそうです。
ブルーライトは太陽光に普通に含まれるので安心、むしろ体内時計の観点から、朝はもっとブルーライトに当たるべき、という論説もあります。しかし普通に太陽光に含まれる紫外線であっても人体には害があります。
今回の虫に対する実験では、紫外線と同様かそれ以上の害が及ぶ場合もあることがわかりました。前述の研究によると、ブルーライトは加齢黄斑変性症や網膜色素変性症の原因ともされていますから、適切な対策をとったほうがいいかもしれません。