妊娠中に子癇前症と呼ばれる高血圧症を発症していた母親から生まれた子どもは、自閉症スペクトラムや発育遅延を起こすリスクが2倍になるとの研究があったそうです。子癇前症の症状が重度であるほど、自閉症リスクが高まるともされています。
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米国では、子ども88人に1人の割合でASD(自閉症スペクトラム障害)が見られるそうです。以前は、遺伝的なものとされていましたが、記事でも触れられているように、最近の研究では遺伝子と環境、両方の要因が指摘されています。
今回の研究では、母親のほうのリスクに焦点が当てられていますが、自閉症スペクトラムの確率と関係しているのは、父親の高齢だという研究もありますから、夫婦双方が関わっているといえそうです。
自閉症スペクトラムはさまざまな要因が絡む多因子疾患とされていますから、今回の研究も、単一の原因ではなく、さまざまな原因のうちの一つとして考えておくのがよいと思います。
母親の子癇前症が関わっている場合でも、ASDは母親のせいと考えるべきものではないことにも注意が必要です。