起立性調節障害(OD)の第一人者で、OD低血圧クリニック田中で診察しておられる田中英高先生の新刊が出ていました。
子どものこころの発達を知るシリーズ05 心身症の子どもたちストレスからくる「からだの病気」というものです。シリーズもののうちの一冊を担当しておられるようです。
不登校や保健室に通う小・中・高校生の7割は体調不良をともなっているというデータがあります。
その多くは、起立性調節障害、偏頭痛などの慢性頭痛、過敏性腸症候群などの機能性腹痛の状態にあると考えられています。
これらは、なにか精神的なストレスがかかった時に悪くなります。
つまり、何らかの心理社会的ストレスは自律神経機能を悪化させることから、子どもたちの体調不良の原因は、自律神経機能という身体面と、心理社会的ストレスという心の面の両方を考えながら対応する必要があるのです。
目次を見ると、摂食障害や過敏性腸症候群など、さまざまな心身症が扱われていて、そのひとつとして、第三章で起立性調節障害が扱われているようです。
以前の子どもの心身症ガイドブックと似たような内容かなと思います。
心身症というのは、あまりいい印象がない言葉で、「気の持ちよう」と思われてしまう側面があることは否めません。しかし本書では、タイトルからも分かるとおり、ストレスが関わる体の病気、という本来の意味で用いられているようです。
ひとつの病気を深く掘り下げる本ではないので、手に取りづらいかもしれませんが、ほかの病気についても知ることで視野が広がる一冊かもしれません。