先日の【クローズアップ現代 】「不登校12万人のかげで ~広がる子どもの睡眠障害~」の放送を受けて、それに関連したニュースがいろいろ出ていました。
睡眠を軽視する社会
一つ目は、精神科医の方が書かれた番組の感想です。深夜の勉強は「いかにも努力している」という雰囲気があったり、「勉強のための夜食」と宣伝しているメーカーがあったり、日本社会は睡眠を軽んじているという内容で、もっと親がまともな睡眠習慣や知識を身につけてほしいと書かれています。
わたし自身、朝の4まで勉強して、7時には学校へ…そして授業中は眠気と必死に戦う、といった生活サイクルの末にここにいるので、陥りやすい罠であることは理解できます。ただ、うちの親が言うには、もし当時から、睡眠の大切さが叫ばれていたとしても、おまえは聞く耳を持たなかっただろう、と。
学生にとっては、たとえ睡眠の知識をもっていたとしても、スケジューリングが苦手なために、やることに追われて睡眠を削ってしまう人がいるのです。そのあたりの問題の解決は特に難しそうです。
スマートフォンやゲームの使用も
二つ目の記事は、番組の内容をほぼそのまままとめた内容です。唯一独自性を出しているのが、睡眠障害と不登校の原因として、「ゲームやスマホ」を含めているところです。どうしてその部分だけ、勝手に追加したのかはわかりませんが、先日似たテーマで番組づくりが行われたハートネットTVのほうでは、スマートフォンの問題も扱われていたので、妥当な話だと思います。
睡眠障害を引き起こす深刻なネット依存症については、不登校よりもはるかに多い数字がニュースになっていました。(【8/4】睡眠障害を引き起こす深刻なネット依存症)
クローズアップ現代では、ネット依存については取り上げられませんでした。同じ概日リズム睡眠障害を引き起こすとはいえ、それぞれに陥る子どもの特徴は異なっています。あえて、塾やクラブ活動に一生懸命な子どもの睡眠障害だけに注目したのはよかったと思います。
昼寝を取り入れる学校も
最後のニュースは、クローズアップ現代の放送とは関係なさそうですが、話題が似通っています。
米国の大学では睡眠時間を削って勉学に励む学生が少なくない。だが、近年の研究で、睡眠不足の学生ほど成績不振に陥り、落第する可能性が高いことや、記憶力向上に仮眠が有効であることがわかっている。
そう書かれていて、米国の大学の中には高額な費用を投じて仮眠室を設けるところも出てきた、という話です。
学校の始業時間を遅らせるとか、仮眠室を設けるとか、望ましい取り組みはいろいろ見聞きしますが、それが日本に上陸するのは果たしていつになるのか…。あと数十年は状況が変わらないのでは?と思えてしまうのは杞憂でしょうか。(【5/6】時間生物学によると学校の始業は10時にすべきかもしれない)
ほかにも、個人ブログなどを見ると、かなりいろいろな方が感想を書かれているようです。うちのブログのアクセス数も、ここ数日少しだけ増えました。
大人たちが作った、睡眠を削る異常な社会のもとで、害を受けているのは子どもたちであること、その中には再起不能にまで追い込まれてしまう人もいるのだということを知ってほしいです。
(社会的虐待として考える小児慢性疲労症候群 も参照のこと)