北海道大の若尾宏准教授らの研究チームが、線維筋痛症を血液で診断できる方法を開発したとニュースになっていました。
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線維筋痛症:血液で診断、初開発 北大研究チーム - 毎日新聞
約10種類のタンパク質が増減
従来、線維筋痛症は、一般的な検査ではデータに異常がないことが多く、問診と、体の複数の圧痛点が痛むかどうかの主観症状の検査で診断されることが多かったようです。
今回研究チームが見つけた方法によると、30名以上の線維筋痛症の患者から血液を採取して、免疫反応を担うTリンパ球を分析したところ、特定の細胞が減少し、その細胞の表面に現れる約10種類のたんぱく質が増減していることがわかったそうです。また、痛みの強さや、症状を和らげる薬の服用によって、その特定の細胞の数が変化することもわかったそうです。
これらを調べれば、症状が似ている関節リウマチなどとの区別が付き、早期診断が可能になるとされています。今後、企業と協力し診断キットなどとして早期の実用化を目指すと、展望が書かれています。
客観的な診断基準がないことは、線維筋痛症が難病指定から外れた一つの理由でもあります。ほかに患者数の多さといった理由もありますが、もしこうした診断キットが実用化されれば、重症患者を見分けて、支援を受けられるようにする、といったことも可能かもしれません。
線維筋痛症を血液で診断できる方法というと、以前にも「抗VGKC複合体抗体」を使った検査が有効かもしれないと言われていました。
そちらのほうも、まだ実用化に至っていませんし、今回の研究も、サンプルが30数名と少なすぎるように思うので、今の段階では過度な期待はできませんが、いずれ必ず客観的な診断法が確立するだろう、という予感を感じさせてくれます。
慢性疲労症候群のほうも、前に理研が、血液中の特定の物質の比率で診断できるということを言っていましたが、どうなったのでしょうね。きょうの健康のテキストに載っていた近赤外分光法の話も、特許をとった後、話を聞きませんし…。