ADHD(注意欠如・多動症/注意欠陥・多動性障害)の第一選択薬として、子どものADHDにも大人のADHDにも処方されるようになった、コンサータ(メチルフェニデート徐放剤)の感想・体験談のまとめです。
大人のADHDの本人またはADHDの子どもを持つ親のブログで、コンサータの感想を取り扱っているものへのリンク集でもあります。
ヤフー知恵袋などのナレッジコミュニティや、2ちゃんねるなどの匿名掲示板のまとめも散見されましたが、それらは含めていません。
あくまで当事者が自分のサイトで責任をもって発信している情報にこそ信ぴょう性があると考えているためです。文脈が存在しない短い感想は正確なニュアンスを伝えていない可能性もあります。
各体験談へのリンクには、概要として効果や副作用についての箇条書きをつけていますが、気になる体験談は、必ず元記事を読むようにしてください。当事者ならではの感想は読む価値が大いにあります。
どの経験談にしても、あくまで個人の感想であり、それらと違った効果や副作用が出ることは十分にあります。また専門家の意見とは異なる場合もあります。あくまで参考としてご覧ください
コンサータとはどんな薬?
コンサータ(メチルフェニデート)は、中枢神経刺激薬と呼ばれるタイプの薬で、ドーパミンやノルアドレナリンを増加させることで、ADHDの諸症状を改善すると言われています。
以前はリタリンという同成分の薬が使われていましたが、短時間作用型だったので、乱用が問題となりました。その点コンサータは、成分が徐々に溶け出すよう工夫されていて、依存や乱用の危険が少ないと言われています。
詳しくは以下のサイトをご覧ください。
ADHDに使われる薬としては、ほかにノルアドレナリン再取り込み阻害薬(NRI)のストラテラがありますが、効果が出るまで数週間かかるストラテラと違い、コンサータは飲んだ日から効果を感じるので、当事者としても効き目を体感しやすいといえます。
その一方で、副作用や依存性が指摘されることもあり、特にADHDの子どもを持つ親は、子どもに飲ませてよいものか悩むことが多いのも事実です。
この記事では、大人または子どものADHDの当事者や親によるリアルな体験談を整理することで、どのような効果・副作用が見られやすいのか、注意点は何か、ということを洗い出しています。
ADHDの大人・学生本人による感想
まずは、大人のADHDの当事者による感想集です。大人は自分で自分のことを説明できるので、コンサータの効果や副作用がわかりやすいと思います。
■体が楽になった
■依然として頭は思うように回転しない
■コーヒーと同程度の疲労回復・覚醒効果
■効果は日によって違う
■飲んで2時間後に効果を感じる
■薬が切れたときの感覚はない
■夜にお腹が空いてなかなか寝つけない
■依存性は高いと言われるが、あまり依存しそうにない
■18mgで多くの症状が軽減された実感がある
■注意力はあまり変っわっていない
■動悸や息切れが強い。2錠だと特に強く副作用が出た
■効果は感じたが、薬を飲まない状態のメリットも感じる
■54mgでも薬の効果は感じない
■副作用として吐き気が出る
■8時半に飲んで10時半から効く
■服用すると気持ちが高揚するのではなく、スーっと落ち着く
■あくびが増えてきたら切れてきた証拠
■元から眠気が強い日はあまり効かない
■依存性や副作用は感じない
■18mgのときは最初は強い効果が出たが慣れていなかったため
■体格からして適量の27mgに変えると、18mg初期の効果が持続
■36mgにすると先延ばしなど他の症状にも効果
■頭痛や腹痛などの副作用は数ヶ月飲み続けて改善
■根気がついて冷静になった
■運動、何かを楽しみたいとき、寝たいときは不必要
■体がこわばる
■抑えつけられている感じ、動悸がある
■とても目が覚める
■軽い頭痛、食欲不振、手の震え
■身体が軽い、
■ちらかっていることに気づく、世界が明るい、立体的に見える
■脳の処理速度が早くなり作業がはかどる
■ノイズキャンセリング効果
■過集中でない集中ができて時間感覚がわかる
■切れてきたときにさまざまな不快感、疲労感、筋肉痛
■衝動買いがなくなる
■朝に飲むので生活リズムが整う
■集中力も作業効率も初日に比べて低い
■疲労がベースにあると効果が薄い。無理をすると反動がある
ふみ吉さんの、コンサータ3日目【了】 - Togetterまとめ
■この日は良く効く
■離脱がしんどかったのは初日だけ
■眠気が抑えられて仕事に集中できる
■食欲はだいぶ落ちる
■疲れがどっと出る
■18mg。脳内が静かになって集中できる。リタリンのときと同じ
コンサータ服用日記(2日目)
■リタリンに比べて効きが悪い
■早起きしても眠気がない
コンサータ服用日記(21日目)
■副作用も効果も感じない
コンサータ服用日記(67日目)
■27mg。リタリンのときのような効果が感じられない
コンサータ服用日記(113日目)
■全体的に能力が底上げされている感じ
■片付けができる
コンサータ服用日記(121日目)
■36mg。目立った効用はないがいつもの自分に比べると改善されている
コンサータ服用日記(260日目)
■やはり目立った変化はないが能力は底上げされている
(その後、ストラテラとの併用日記を書かれています)
■18mgではほとんど効果は感じない
■36mgにするとはっきり効果を感じた
■イライラが減り、優先順位を意識できるように
■少量処方ができず、ちょうどいい量に合わせるのが難しい
■一日中効いているので、昼間にぼんやりしたいなどができない
■本来効果がほしい夕食作りのときまで効いてくれない
■ずっと効くせいか慣れる気がする
■飲み忘れがあったり、減らしてもらったりするほどで依存はない
■日が経つにつれて効果を実感
■今まで先送りしてきたことができる
■姿勢がよくなっている
子どものADHDについての親の感想
次はADHDの子どもがコンサータを服用したときの感想です。当人の言葉も含まれていますが、大部分は親や周囲の大人の感想です。
■親から見ると行動の変化がわかる
■最初はぐったりして別人のように大人しくなり、軽い腹痛や頭痛
■本人はうまく言葉で表現できない
■ものがはっきり見える
■切れると急におなかがすく
■薬があって普通の人と同じ状態だから依存にはなりにくい
■18mgの服用開始時には3時間連続で集中できる
■18から27に増量すると腹痛がひどくて中断
■薬の服用と感覚統合を併用すると効果が上がる
■効果が出るには体を動かすことも大切?
■眠くなっても眠れず辛い
■家に帰ってからも集中力が割と高く、宿題ができる
■弟にまで指図されていたのが、逆に、弟の面倒を見る
■食欲がなくなっている
■コンサータを飲まない日はダラダラする状態に戻る
■忘れ物は多いが集中力は増した
■気持ちの切り替えが早く、宿題もすんなりやるように
■親から見るとあまり変わっていない
■先生から見ると(集団生活の中では)180度違う
■食欲低下はないが寝つきが悪い
■学校で暴れなくなった
■学校が楽しくなった
■先生の声、みんなの声がよく聞こえる
■授業がわかるようになっておもしろい
■テンションが下がり、声も静かに
■人の話が聞けて、一度で理解できる
■字がきれいになった
■休薬すると反動としてすごく衝動的に
■一度声をかけただけでサッと動くように
■ロボットになったみたいなローテンション
コンサータの効果や副作用のまとめ
最後に、これまで取り上げた各体験談のエッセンスをまとめると、以下のようになります。あくまで傾向であり、個人差があるのは、これまで紹介した各体験談を見ていただけたらわかるとおりです。
1.特徴
■少量でも初日はよく効くことが多い
■本来の効果が続くのは適量に達してから
■飲んで2時間後に効き始め、12時間で切れる
2.効果
■集中力が上がる
■体が楽になる
■眠気が覚める
■落ち着いて冷静になる。
■注意の切り替えができるようになる。呼びかけにすぐ反応する
■片付けができるようになる
3.副作用
■食欲不振と切れた後の夜中のドカ食い
■寝つきが悪くなる
■動悸がする
■頭痛や胃痛
■抑えつけられている感じがある。テンションが下がる
■慣れてくると副作用が減ることも
4.注意点
■夜寝られなくなるので朝早く服用すること
■疲労度や睡眠不足によって効き具合は変わる
■薬が切れるとどっと疲れが出る人も
5.依存性
■覚醒剤のようにハイになるのではなく、落ち着くので依存しなさそう
■ADHDの人は服用して初めて普通の状態になるので依存しにくい
■もしハイになったり、依存したりするならADHDではないのかも
以上を見ると、大半のADHD当事者はコンサータによる効果をはっきり感じるようです。多くみられるのは、コンサータによってやっと普通の人に近づいたという感想です。
反面、コンサータを飲むと、テンションが下がって楽しめなくなるなどの問題点を感じている人もいて、そのときどきによって服用するかどうかを使い分けることも大切なようです。
今回はとりあえず目についたものを集めましたが、後々追加する可能性もあります。
▼ADHDの治療に使われるほかの薬
ADHDに効果があるほかの薬についてはこちらをご覧ください。
発達障害の薬物療法に関する専門家の意見は、以下の本をご覧ください。