自閉症や慢性疲労症候群の脳の炎症は細菌などの不在がもたらした?―寄生虫療法・糞便移植で治療
ジョンソン夫妻は、ローレンスが熱を出すたびに興奮状態や自傷行為といった自閉症の最も激しい症状が和らぐことに気づいていた。 彼らは半ば冗談のように、「ローレンスの病気を治すため、わざと病気にするというのはどうかな」と話し合ったものだった (ちなみに、多くの自閉症児の親が同じような現象を体験している。数年後、ジョンズ・ホプキンス大学の研究者グループがこの現象を正式に調査することになった)(p311)...
View Article不破 功先生による「小児および若年者の脳脊髄液減少症について」 5歳や9歳の発症例も
熊本県 荒尾市民病院の不破 功先生が、脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)のブログを作られたようで、「小児および若年者の脳脊髄液減少症について」というPDFファイルが公開されていました。 小児および若年者の脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群): 脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群) 荒尾市民病院は、脳脊髄液減少症の治療を行っている病院で、ウェブサイトにも詳しく説明されています。...
View Article【7/10】杉山登志郎先生の新刊「発達障害の薬物療法―ASD・ADHD・複雑性PTSDへの少量処方」
浜松医科大学の特任教授を務めておられる発達障害と子ども虐待の専門家、杉山登志郎先生による、発達障害についての新刊「発達障害の薬物療法」が発売されるそうです。 発達障害の薬物療法 - (株)岩崎学術出版社 精神医学・精神分析・臨床心理学の専門書出版 目次 第1章 発達障害とトラウマへの薬物療法第2章 発達障害はどこまで広がるのか第3章 発達障害とトラウマ第4章...
View Articleなぜ無意識のうちに自傷をやってしまうのか―リスカや抜毛の背後にある解離・ADHD・自閉症
僕は最初の患者さんがヒステリーの人で、彼女は自分のクビをパーッと20本くらい切ったんです。 それで僕はこうやって縫っていました。そしたらナースに言われた一言ね。 …「柴山君、そんな怖い顔して縫ってどうするの。もうちょっとやさしい顔してあげなさい」と言われて、「できませんよ」とか言って。...
View Article大人・子どものADHD当事者によるコンサータの効果・感想・体験談のブログまとめ
ADHD(注意欠如・多動症/注意欠陥・多動性障害)の第一選択薬として、子どものADHDにも大人のADHDにも処方されるようになった、コンサータ(メチルフェニデート徐放剤)の感想・体験談のまとめです。 大人のADHDの本人またはADHDの子どもを持つ親のブログで、コンサータの感想を取り扱っているものへのリンク集でもあります。...
View ArticleなぜADHDの人は慢性的な疲労や痛みを感じやすいのか―脳の注意配分能力とワーキングメモリー
注意力と、疲労や痛みの感じやすさが関わっている場合がある。この話題について、このブログでは以前から何度か話題にしてきました。 たとえば、その名の通り注意力に関する問題を抱えているADHD(注意欠如・多動症/注意欠陥・多動性障害)の人は、慢性疲労症候群や線維筋痛症などの、疲労や痛みの症候群を抱えやすいという国内外の専門医の見解があります。...
View Article意志力のないADHDの人が少しでも自己コントロールするための5つの科学的アドバイス
■大学生の成績と性格の相関関係を調べると、唯一、自己コントロールの高さのみが関係していた ■1000人の子どもを32歳まで追跡した調査では、自己コントロールの高い子どもは肥満率が低く、依存症などが少なく、健康状態もよく、安定した結婚生活をしていた。 ■自己コントロールの低い人は、不安・うつ病・摂食障害・強迫神経症・アルコール依存症などの問題を抱えやすく、家庭内暴力や犯罪の可能性も高かった。...
View Article線維筋痛症に動的神経モビライゼーションが効く―中枢に働きかける運動療法
線維筋痛症に、動的神経モビライゼーション(PNF)という、神経の動きや伸張性を改善する治療が効くというニュースがありました。 線維筋痛症の痛みに動的神経モビライゼーションが有効 - MEDLEYニュース 動的神経モビライゼーションとは 動的神経モビライゼーションとは、手足、体幹の構えを変化させる運動により、筋肉や神経の伸縮、滑走を促す療法だとされています。...
View Article発達障害・精神疾患などで自立支援医療(精神通院)を申請する方法―高い薬・医療費を安くする
精神疾患で通院していると、薬代などがばかにならない場合があります。特にジェネリックがなく、最近薬価収載された新しい薬を使っている場合などは、非常に高額な代金を請求されることがあります。 うつ病では、SNRIをはじめ、最近の薬は高価で、通院費用やカウンセリング代を合わせるとかなり高額な負担が生じることがあります。...
View Article発達障害(ADHD/アスペルガー)で精神障害者保健福祉手帳を取得する10のメリットと申請方法
発達障害(注意欠如多動症[ADHD]/自閉スペクトラム症[ASD])の人が受けられる社会福祉制度の支援はいろいろありますが、その一つが精神障害者保健福祉手帳の取得です。 身体障害者手帳、療育手帳とくらべて、メリットが少ないと言われることの多い精神障害者保健福祉手帳ですが、取得することで、生活が便利になる部分は確かに存在します。...
View Articleむずむず脚症候群とパーキンソン病が脳への電気・磁気刺激で改善―どちらもドーパミンの病気
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群:RLS)と、パーキンソン病(PD)は、どちらもドーパミンの不足から生じる問題として知られていて、ビ・シフロール(プラミペキソール)やニュープロパッチ(ロチゴチン)といった同じ薬が認可されています。(ただしRLSはPDと異なりドーパミン神経は減っていないので、直接関係する病気ではなさそうです)...
View Articleなぜマイケル・J・フォックスは若年性パーキンソン病になっても絶望しなかったのか―ポジティブシンキングのまやかし
「僕がリスクを自覚していないとか、この先何がどう悪くなっていくのか理解していないとか、そんな風には考えないでほしい」と彼は話した。 「この先、どんなひどいことが起きるかもしれないって、ちゃんと覚悟はしているよ。ただ、どんなことが起きても僕はぜったい対処できる自信がある」(p23-24)...
View Article【7/15】藤田紘一郎博士の腸内細菌の新刊「腸内フローラ 医者いらずの驚異の力」
近年、腸内細菌叢(腸内フローラ)はさまざまな病気の発症や健康の維持に関わっていることが明らかになっていますが、日本で腸内細菌の重要性を長年説いて、多数の本を出版されているのが免疫学者の藤田紘一郎博士です。 藤田紘一郎博士は、もともと「花粉症やアレルギーの原因は寄生虫を撲滅しすぎたため」という衛生仮説の先駆け的な方らしく、体内にサナダムシを共生させ、日本で独自に寄生虫療法を試みた話で有名だそうです。...
View Article【8/1】疲労研究の梶本修身先生が港区新橋に「東京疲労・睡眠クリニック」を開院
大阪市立大学医学部疲労医学講座の梶本修身教授が、2015年8/1に東京都港区新橋に、「東京疲労・睡眠クリニック」を開院するそうです。病院の公式ウェブサイトが作られています。 東京疲労・睡眠クリニック 疲労の回復・解消・治療なら当クリニックへ ウェブサイトでは、最新の研究でわかった疲労のメカニズムや、受けることのできる疲労検査一覧、治療方法などが書かれています。...
View Article【7/2】腸内細菌と衛生仮説の新刊「失われてゆく、我々の内なる細菌」
なぜアレルギーや自己免疫疾患、自閉症が増えているのか。 その問いに対するひとつの答えとして、人間とともに生きてきた共生菌などの微生物を、抗生物質などで駆逐したことにあるのではないか、という「衛生仮説」をこのブログでも紹介しました。 その問題を扱った邦訳書籍失われてゆく、我々の内なる細菌が、今月発売されていました。 出版社のサイトによると、内容は以下のように紹介されています。...
View Article脳の各部の結びつきを調べる新技術で統合失調症を判別できるように―客観的な診断方法のない病気に有効
統合失調症の脳の活動を、「ネットワーク理論」に基づく方法で解析することで、健常者との違いが判明し、両者を画像解析で区別できるようになったそうです。 「ネットワーク理論」に基づいた新たな統合失調症の解析手法を開発-NICT - QLifePro 医療ニュース ▼関連ニュース 統合失調症を脳活動で判別 情報機構など :日本経済新聞 統合失調症:fMRIでわかる 研究者ら、客観的診断へ道 - 毎日新聞...
View Article沖縄のギャラリーカフェ「海ばた~」、線維筋痛症の画家の方が開店
線維筋痛症と闘う那覇市出身の河辺友代さんが、ご主人の河辺照之さんと共に、沖縄県中頭郡の読谷村瀬名波に、ギャラリーカフェ「海ばた~」を2015年4月1日に開店したとのニュースがありました。 河辺さん「笑って一日過ごす」 病気のこと、話せるカフェ開店 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース...
View Article自閉スペクトラム症(アスペルガー)の人は方言を話さない、表情模倣が乏しいなどの傾向
自閉スペクトラム症(ASD)に関する研究で、表情模倣が乏しい、方言を話さないなどの、社会性に関わる特徴の傾向が見られることがニュースになっていました。 表情模倣が乏しい 京都大学の研究グループは、2015年4月に、「自閉症スペクトラム障害で目に見える表情模倣の障害」があるという研究成果を発表していました 自閉症スペクトラム障害で目に見える表情模倣の障害 — 京都大学 ▼関連ニュース...
View Article線維筋痛症に高圧酸素療法(HBOT)が効く―イスラエルのテルアビブ大学
線維筋痛症(FM)に高圧酸素療法が効いて、鎮痛薬が要らなくなった例があるというイスラエルの研究成果が報道されていました。 Hyperbaric Oxygen Therapy Can Reduce Pain and Fibromyalgia-Related Symptoms Fibromyalgia News Today ▼関連ニュース 高圧酸素で線維筋痛症が緩和...
View Article熊谷晋一郎先生による自閉スペクトラム症(ASD)の論考―社会的な少数派が「障害」と見なされている
東京大学先端科学技術研究センター准教授の熊谷晋一郎先生(@skumagaya)による、自閉スペクトラム症(ASD)についての論考が、週刊医学界新聞に寄稿されていました。 自閉スペクトラム症(ASD)、アスペルガー症候群(AS)は、コミュニケーションや社会性の障害があると言われますが、実際には多数派に馴染めない少数派であるだけなのではないか、という考察が展開されています。...
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