線維筋痛症に、動的神経モビライゼーション(PNF)という、神経の動きや伸張性を改善する治療が効くというニュースがありました。
動的神経モビライゼーションとは
動的神経モビライゼーションとは、手足、体幹の構えを変化させる運動により、筋肉や神経の伸縮、滑走を促す療法だとされています。
動的神経モビライゼーションの詳細は、動的モビライゼーション学会のウェブサイトに載せられているのですが…
ちょっと専門的すぎて、理解するのが難しいです。それでも分かる範囲でまとめてみると…
モビライゼーションは運動療法の一種で、ストレッチ以上の効果が見られ、痛みの軽減や関節の可動域の改善が期待できます。
動的モビライゼーションの基本は、抵抗運動による筋力強化とリラクセーションです。
治療している部位を直接的に刺激して改善する効果だけではなく、別の場所に働きかけても、中枢への抑制作用が生じて痛みが軽減され、その後の興奮作用により関節の可動域が改善するという、遠隔効果も見られます。
そのため、痛い部位に直接アプローチしせず、別の場所に間接的なアプローチをすることによって、痛みを回避しながら、全身の筋力強化をすることもできるとされています。
動的神経モビライゼーションの効果
■腰痛
腰痛の原因は、筋肉のこわばりが正常でないことにあるようです。動的神経モビライゼーションは、筋肉が固くこわばったり、逆に弛緩しすぎたりするのを正し、正常なバランスを取り戻させることで腰痛を治します。
■パーキンソン病
パーキンソン病などの中枢神経疾患は、正常時にはみられない異常な運動がありますが、動的神経モビライゼーションで運動機能や筋力低下を改善することで、体の機能回復を促進できるそうです。
■肩の関節障害
肩などの上肢帯の障害では、固有受容器の知覚に問題があるので、まずは骨盤など別の部分に間接的なアプローチを試みて中枢神経に働きかけ、遠隔効果によって治療するのが良いそうです。
線維筋痛症と動的神経モビライゼーション
今回のニュースの研究では、線維筋痛症の人48名を、動的神経モビライゼーション群と対照群とに分けて効果を検証しました。
動的神経モビライゼーション群では1週間に2回の治療を8週間行い、対照群には、通常のケアを施したところ、動的神経モビライゼーションを受けた群では痛みや疲労に関して有意な改善が見られたそうです。
まだ実験が少ないので、何ともいえない部分はありますが、筋肉のリラックスや中枢神経への働きかけが、線維筋痛症、パーキンソン病などの運動障害を改善したり、痛みを和らげたりするのかもしれません。
日本では首都大学東京 健康福祉学部理学療法学科の新井光雄教授が、学会などの中心となって療法を広め、書籍も発行しているようです。
そのほか、学会に参加している人のリストから、実施していそうな病院名がわかります。
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Posted by 動的モビライゼーション療法学会 on 2015年1月20日