線維筋痛症(FM)に高圧酸素療法が効いて、鎮痛薬が要らなくなった例があるというイスラエルの研究成果が報道されていました。
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High-pressure Oxygen Can Effectively Treat Fibromyalgia│Tel Aviv University
高圧酸素療法(HBOT)で線維筋痛症が改善
イスラエルのテルアビブ大学などの研究グループによると、線維筋痛症と診断されて2年以上経過した21から67歳の女性60人を対象にした臨床試験で、2カ月間高圧酸素治療を実施しました。
高圧酸素治療(HBOT:hyperbaric oxygen therapy)とは、大気圧の2倍の気圧の純酸素に90分間体をさらすというもので、週5日、2ヶ月間続けられました。 治療を完了したのは48人の患者で、その半数は40回の高圧酸素療法を受けたそうです。
どのくらいの効果が見られたのかは、英語文献を見てもよくわからなかったのですが、治療後、大多数の患者のQOLが向上し、鎮痛薬がいらなくなった人もいたそうです。
またSPECT画像を用いて、脳の機能の変化も調べたそうです。
本研究の筆頭著者のDr. Shai Efratiは、こう述べているそうです。
医師として、私にとって最も重要な発見は、患者の70%が自分の線維筋痛症の症状から回復する可能性があることです。
しかしながら世界的研究のための最もエキサイティングな発見は、私たちは症候群の原因の、誤動作している脳の領域をマッピングすることができたということです。
“As a physician, the most important finding for me is that 70 percent of the patients could recover from their fibromyalgia symptoms,”
“The most exciting finding for the world of research, however, is that we were able to map the malfunctioning brain regions responsible for the syndrome.”
研究グループは高圧条件下での脳組織の再生に関する研究を続けているそうです。
どの程度、確かな話なのかよくわかりませんが、線維筋痛症の原因に迫る発見とも述べられているので、治療方法の確立に期待したいところです。