解離性障害に詳しい岡野憲一郎先生の新刊、「解離新時代―脳科学,愛着,精神分析との融合」が発売されました。
出版社のサイトによると、目次は、次のようになっています。
解離新時代 - (株)岩崎学術出版社 精神医学・精神分析・臨床心理学の専門書出版
まえがき
序章 解離の何が新しいのか?
第1部 解離と脳科学,精神分析
第1章 解離と脳科学,愛着理論──アラン・ショアの仕事
第2章 トラウマ記憶,解離,再固定化
第3章 再固定化の治療への応用──ブルース・エッカーらの試み
第4章 トラウマ記憶の知見を解離の治療に応用できるか?
第5章 解離と精神分析(1)──ドンネル・スターンの理論
第6章 解離と精神分析(2)──フィリップ・ブロンバーグの理論
第2部 解離治療の最前線
第7章 どのように出会い,どのように面接するのか?
第8章 どのように診断するか?──DSM-5による変更点を取り入れて
第9章 どのように鑑別するか?
第10章 どのようにトラウマを扱うか?
第11章 どのようにDIDを治療するか?
第12章 どのように再固定化療法を治療に用いるか?
第13章 どのように子どもの人格部分を扱うか?
第14章 解離に基づく非力動的な精神分析理論
付章 気になる解離の論客たち
また、Amazonの内容紹介によると、本書の目的はこう書かれています。
個々の研究をみるとその方向性はかなり異なり,それこそ「解離」した状況にある。
本書は著者が日々の臨床に携わる中で解離に関連したさまざまなテーマの統合を図り,かつそれを臨床に生かすことを目的とする。
そこから浮かび上がる解離の姿は,依然として多くの謎や不明な点を含みながらも,心がさまざまな視点からのアプローチを必要としているという現実を示唆しているともいえるのである。
解離の研究は、研究者によって、いろいろと方向性が異なっていて、「脳科学」「愛着」「精神分析」など、別々の分野で理論化されていることもあるので、それを岡野先生がまとめてみた、という本のようです。
つまり、これ一冊読めば、最近のポピュラーな解離の研究が概観できる、というお得な本なのかもしれません。
解離と愛着障害やトラウマ理論の関係などは、このブログでも再三取り上げてきただけに気になる話題です。
岡野先生は、本を書くのが趣味らしく、これまでも多数の本を書かれていますが、特に解離の分野に明るい方だけに、とてもおもしろそうな新刊です。
岡野憲一郎先生のブログはこちら。