紹介するのを忘れていましたが、今年(2015年)の4/21に発刊された日常診療における子どもの睡眠障害 Sleep problems in children and adolescentsという本に、小児慢性疲労症候群(CCFS)についての、三池輝久先生、友田明美先生の論考が載せられていました。
粂和彦先生による概日リズム睡眠障害の論考も含まれています。
出版社のサイトから、「第2章 子どもの睡眠関連疾患各論とその治療」の目次を一部引用します。
診断と治療社 | 書籍詳細:日常診療における子どもの睡眠障害
4 レストレス・レッグズ症候群……毛利育子
5 思春期の不眠・過眠~小児神経科医の立場から~……友田明美,野路恵里佳,三池輝久
6 思春期の不眠・過眠~精神科の立場から~……谷口充孝
7 睡眠不足症候群(Insufficient sleep syndrome:ISS)……松澤重行
8 概日リズム睡眠覚醒障害……粂 和彦
9 ナルコレプシー……本多 真
思春期に抱えやすいさまざまな睡眠問題、すなわちレストレスレッグス症候群、ナルコレプシー、概日リズム睡眠障害、そして関連する概念である小児慢性疲労症候群(CCFS)などが幅広く扱われており、反復性過眠症(クライネ・レヴィン症候群)のようなまれな睡眠問題の症例も含められています。
また第5章では、外来での検査や、「睡眠・覚醒リズム表」の使い方、見方、考え方などの実践的な取り組みも、三池先生をはじめ、複数の方によって解説されています。
この本の特徴については、著者である、大阪大学大学院子どものこころの分子統御機構研究センターの谷池雅子センター長によって次のように説明されています。
この本の特徴は二つある.一つめは対象の読者を,睡眠の専門家ではなくて,子どもの診療を第一線で担う一般の小児科医と定めたこと.日々の診療の合間に通 読していただけるように,診療に役立つ知識を優先し,できるだけ平易な文章で,カットを多用するように努めた.
もう一つの特徴は,小児科のサブスペシャル ティごとに睡眠の問題を取り上げたこと.
この目的に沿って,小児睡眠の専門家はもとより,睡眠に造詣が深い臨床神経学,循環器,新生児,臨床遺伝の専門家 に執筆をお願いすることにした.
多方面での専門家に寄稿いただいた結果,教育的であるのみならず,予想以上に〝面白い〟本になったとうれしく思っている.睡眠研究は日進月歩であり,定期的な改訂が必要にせよ,おそらく日本で最初の実地臨床に沿った「子どもの睡眠」本が世に出たことを言祝ぎたい.
要約すれば、この本は基本的に臨床家向けの本であり、さまざまな分野の専門家の寄稿をまとめた、日本初の実践的な「子どもの睡眠」の本であるということです。
専門書ということで、あまり馴染みないものかもしれませんが、子どもの睡眠関連疾患について興味のある方はご覧ください。