Quantcast
Channel: いつも空が見えるから
Viewing all articles
Browse latest Browse all 727

【5/24】自己免疫疾患のカギ分子とブレーキ分子

$
0
0

発性硬化症(MS)などの自己免疫疾患の発症に関わるカギ分子とブレーキ分子が発見されたというニュースがありました。

Arid5aが犯人

まず一つ目は、阪大 免疫学フロンティア研究センター(WPI-IFReC)の増田和哉研究員、岸本忠三教授らの研究によるものだそうです

「Arid5a」は自己免疫疾患を引き起こすカギ分子の可能性大 - 阪大 | 開発・SE | マイナビニュース「Arid5a」は自己免疫疾患を引き起こすカギ分子の可能性大 - 阪大 | 開発・SE | マイナビニュースはてなブックマーク - 「Arid5a」は自己免疫疾患を引き起こすカギ分子の可能性大 - 阪大 | 開発・SE | マイナビニュース

▼関連ニュース

免疫難病の発症機構の解明に一つの鍵 (岸本 教授が PNAS に掲載) < 研究成果 | 大阪大学免疫学フロンティア研究センター

多発性硬化症など多くの自己免疫疾患では、血液中に炎症性サイトカイン「IL-6」が異常産生されるそうです。

サイトカインとは免疫細胞から発せられる情報伝達のためのタンパク質です。ちょうど警察に通報する110のようなものかもしれません。実際に事件が起こっている場合なら良いのですが、何も問題がないのに通報が続いている状態が自己免疫疾患なのだと思います。

今回、なぜこのIL-6が異常産生されているのかを調べたところ、Arid5aという分子が見つかりました。本来、Regnase-1というブレーキたんぱく質が、IL-6の異常産生を止めるのですが、Arid5aはそれを妨害するそうです。

いわば、IL-6という誤報の電話をかけ続けている犯人が見つかったということだと思います。この犯人がいなくなったマウスでは、多発性硬化症の発症が抑えられたそうです。

Arid5aを欠損させたマウスではエンドトキシンの投与を行ってもIL-6の異常産生とエンドトキシンショックが起こらないこと、また多発性硬化症のマウスモデルにおいてはその発症が抑えられることが判明

ブレーキをかけるRegnase-1

Regnase-1というブレーキたんぱく質については朝日新聞のほうの記事で説明されていました。大阪大の審良静男教授らの研究だそうです。

朝日新聞デジタル:免疫にブレーキ、たんぱく質発見朝日新聞デジタル:免疫にブレーキ、たんぱく質発見 治療や予防に期待
▼関連ニュース

自己免疫疾患の発症メカニズムの一因が明らかに (審良 拠点長が Cell に掲載) < 研究成果 | 大阪大学免疫学フロンティア研究センター

白血球の一種「T細胞」は、複雑な免疫機能の司令塔役を務めていますが、その役割を制御しているのがRegnase-1だそうです。Regnase-1を制御すれば、免疫細胞の暴走を止められるかもしれないと書かれています。

免疫細胞が暴走すると、関節リウマチやシェーグレン症候群などの自己免疫疾患を起こす。一方で、がんと闘う働きもあり、ブレーキのきき具合を調整できれば幅広い病気の治療や予防につながると期待される。

どちらも、まだ研究段階の話ですが、自己免疫疾患の解明が進めば、さまざまな病気に恩恵がもたらされると期待しています。

ところで、今年5/29(毎年5月の最終水曜日)は「世界MSの日(World MS Day)」だそうです。

バイオジェン・アイデック・ジャパン,多発性硬化症(MS)の啓発活動を全国規模で実施 ~5月29日は「世界MSの日」初めて大型映像メディアを利用〜バイオジェン・アイデック・ジャパン,多発性硬化症(MS)の啓発活動を全国規模で実施 ~5月29日は「世界MSの日」初めて大型映像メディアを利用〜

Viewing all articles
Browse latest Browse all 727

Trending Articles