自閉症スペクトラム障害(ASD)[アスペルガー症候群]の天咲心良さんによる、これまでの経験を振り返って綴った自伝風小説、COCORA 自閉症を生きた少女 1 小学校 篇とCOCORA 自閉症を生きた少女 2 思春期 篇が、今日1/27に出版されました。
自閉症スペクトラム~発達障害の当事者による「壮絶な告白」(天咲 心良) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)
自閉症を生きた少女の「奇跡の自伝」──集団侮蔑、人格混乱の果て|今日のおすすめ|講談社BOOK倶楽部
中村うさぎ氏、杉山登志郎氏も絶賛! 発達障害の当事者が自らの壮絶な体験を克明に描いた衝撃の「奇跡の物語」 : ニュースリリース : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
『見えない障害』に理解のない教師による虐待、PTSDや解離性同一性障害の発症などに苦しみながらも、思いやりのある理解者との出会いによって成長してきた経験がASDならではの正確な記憶力によって回想されています。
このブログでも著書を参考にさせていただいている、子どもの発達障害やトラウマ研究の専門家の杉山登志郎先生は、この作品について次のように述べて推薦しておられました。
発達障害と精神的虐待がもたらす多重で複雑な内奥を世界で初めて開示した作品
今日発売されたのは二巻までですが、全三部作の予定で、「青年期 篇」はのちに発売とのこと。心良さんご自身による内容の紹介によると、それぞれ次のような内容だそうです。
私の本は巻が進むごとに読者対象が移行していくようなものになるのではないかと思っています。
1巻はもちろん自閉症スペクトラムに関わる人たちに特に読んでもらいたいのですが、2巻はアイデンティティの喪失感や人との関係、すれ違いなどに苦悩する人に読んでもらうと、何か感じてもらえるのではと思います。
3巻目は恐らく、自我の確立とか、自分の中にある影との戦いとか、より人間の根本を考えるような、『人間』らしく生きていく方法を考えるものになると感じています。
第1巻COCORA 自閉症を生きた少女 1 小学校 篇は、2/9(木)までの期間限定で電子版が無料配信されるそうです。
発達障害を持たない人がにとっては、ASDの子どもが成長のさなかで経験する当人視点の世界を理解するために、また同じASDの人にとっては自分と同様の辛さを乗り越えてきた人がいることを知るために、この機会に読んでみるといいかもしれません。