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友田明美先生のTED「愛着―親と子のためのガイド」視聴メモ

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どものの愛着障害や虐待の専門家である、福井大学の友田明美先生によるTEDが昨2016年末に公開されていました。長さは14分半ほどで、日本語で話されています。

以下は動画の解説文の日本語訳です。

友田明美さんは、虐待を受けた子供の小児科医であり、虐待された子供の脳機能への影響を研究する研究者です。

乳児の脳は、愛着の影響を強く受けています。したがって、乳幼児の愛着の絆が子供に与えられない場合、子供は十分な構造、認識、理解、安全性、相互協調が困難になります。

彼女は虐待を受けている子供と介護者の両方を救うために、愛情のこもったアイデアを共有しています。

友田明美は、虐待を受けた子供のために働く小児科医です。彼女は、小児期の困難な経験が脳に与える影響の研究者でもあります。

彼女は研修医だったとき、3歳の虐待を受けた少女の死に直面しました。この経験から、彼女は虐待された子供の脳機能への影響を研究するために米国に行きました。

彼女は自分の治療結果だけでなく、社会への虐待の事実を明らかにするために、自分の研究成果を活用してきました。彼女の意見では、子供だけでなく世話する人も救われなければならない。それはこの問題を解決へ導きます。

このような観点から、彼女は様々な専門家と協力して研究範囲を広げています。福井大学病院の小児心身医学科長として、子供の心の問題を解決し、心の発達をサポートするために努力しています。

以下は動画の内容のメモです。

■愛着(attachment)の大切さ
安定した愛着は触れ合い、見つめ合い、微笑みによって育まれる。親は子どもにとっての安全基地となる。不安定な愛着になると発達が止まっていまい、視線も合わなくなるが、不適切な養育から引き離すことで回復する。

■愛着障害の特徴
家庭での暴言、厳しい長期的な体罰などにさらされると、子どもは親と離れても悲しまず、再会しても喜ばなくなる。内向きに症状が出ると他人に無関心で用心深く、イライラしやすくなる。外向きに症状が出ると、多動や落ち着きのなさが現れ、人間関係のトラブルが絶えない。愛着障害は養護施設や自立支援施設、里親のもとに養子になったの子どもの40%に見られる。

■愛着障害がもたらす影響
本人だけでなく家族もうつ病、依存症、PTSD、統合失調症、人格障害などの問題を抱える。虐待の結果はいじめの増加や医療費の高騰となって社会にも影響する。1年間で1兆6000億円の損失と試算。肺がんや心疾患のリスクが3倍に。寿命が20年も縮まる。虐待は脳の扁桃体を異常に興奮させ、副腎皮質から大量のストレスホルモンを分泌され、脳の発達が遅れる。

■虐待児の脳機能についての研究
研修医のとき、救急外来に両親から虐待を受け、脳内出血で3歳の男の子が運ばれてきた。全身にはタバコの火傷の痕があった。3日間なんとか助けようと努力したが亡くなった。にわかには理解しがたく、この問題をなんとかしようと研究を始めた。

アメリカのボストン大学へ留学し、長期的な体罰では、自分をコントロールするために前頭葉が小さくなる、暴言虐待では聴覚野が変形して音や会話に障害が出る、DVを目撃すると視覚野が小さくなり、表情を読み取れなくなる、ことを知った。こうした変化は外部からの情報量を減らすための脳の防衛反応として起こる。

愛着障害の子どもは、お金というご褒美に脳が反応しない。褒める言葉が響かず、自己肯定感を向上させられない。1歳ごろに虐待を受けると、ご褒美への脳活動がもっとも低下する。早い時期の虐待防止が重要。

■虐待を防ぐ社会のシステム
虐待を受けると、大人になって歩が子に虐待やネグレクトを繰り返し、連鎖しやすい。「おせっかい」は子どもを救う。子育て困難になっている人に無関心にならない。子どもを社会で育てる、と考えて、近くの子どもにも愛情ある言葉かけをする。子育て困難な親によりそい、他機関につなぐ。

どうすれば上手におせっかいを焼けるのか、学校、法律、施設、警察、研究、医療、地域社会との連携に取り組んでいる。「虐待をしなければ子育て困難でもいい」とは言えない。子どもがより小さい時期にお金をかけ社会的投資するほうが見返りが大きい。犯罪の刑罰や医療よりも、養育者支援にお金をかけたほうが効果が高い。

■命がけのゆりかご
中国四川大地震の2008年5月21日のニュース。捜索隊が瓦礫のなかで、生まれたばかりの赤ちゃんを抱くお母さんがよつん這いになって息絶えているのを見つけた。赤ちゃんは奇跡的に生きていて、携帯には「もしあなたが生き延びたら、私が愛していたことを忘れないで」というメッセージが残されていた。本来、親は自分の体をはってでも、我が子の命を守ろうとするもの。

「愛したこと忘れないで」、男児守り死亡の母、携帯に遺書 5月20日10時15分配信 産経新聞 (※元記事消失のため、Yahoo!ニュースのインターネットアーカイブへのリンク)

 【成都(中国四川省)=福島香織】「お母さんのことを忘れないで」。身をていして赤ちゃんを守り、冷たくなった母親の手にあった携帯電話には、最後の力を振り絞った1行の遺書が残されていた。20日の国営新華社通信が報じた。

ママの最後のメッセージ 、「いつまでもあなたを愛している」│CRI (※こちらも元記事が残っていないためインターネットアーカイブへのリンク)

 その後、医者が布団を開けて赤ちゃんの身体検査をしようとしましたが、何と布団の中から一つの携帯電話が落ちてきました。携帯電話には一通のメールが残されていました。それは、息を引き取る前に、このお母さんが子供に残した最後のメッセージだったのです。 

 このメッセージには「わがかわいい子よ、もしあなたが生きられるのなら、ママを忘れないで。ママはいつまでもあなたを愛しているのよ」と書かれていました。これを見た医者は、「私はこれまで多くの死者を見てきたが、こんなことは初めてだ」と涙を流していました。この携帯電話は次々と救援隊員に回され、彼らはあふれ出る涙を抑え切れませんでした。

友田先生の研究と著作については、このブログの過去記事で詳しく紹介しています。

だれも知らなかった「いやされない傷 児童虐待と傷ついていく脳」(2011年新版)
子どもの虐待は、近年注目を浴びるようになって来ました。しかし、虐待が脳という“器質”にいやされない傷を残すことを知っている人はどれだけいるでしょうか。友田明美先生の著書「いやされな

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