昨年末、電磁波過敏症(ES)に関する新刊ルポ 最後の公害、電磁波に苦しむ人々 携帯基地局の放射線が出ていました。その内容がニュースになっています。
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携帯電話がどこでもつながりやすくなることは、だれもが良いことと信じて疑わない風潮があります。
しかしその陰で、電磁波過敏症による症状に苦しみ、「詐病」「ノセボ効果」「愛情不足」などと医師や裁判所から非難され、症状が認められていない人たちがいる、ということが書かれています。
電磁波による人体への害については、WHOが、携帯電話による健康影響は「確認されていない」とする一方で、携帯基地局から発せられるマイクロ波については、WHOの外部組織であるIARCやミナス・メソディスト大学から、発がん性がありそうだという研究も出てきているそうです。
個人的な意見としては、メリットだけが存在し、デメリットがない魔法の技術などありえないと感じます。特に、便利だということで使われすぎる技術は、アスベストやフロンや食品添加物などを見ても、どこかで公害に変わる危険性を秘めているといえます。
そしてそのような被害を受けるのは、やはり、特に過敏な体質を持っている人たちであり、炭鉱のカナリアの役目を果たしているように思います。大半の人は、電磁波や化学物質や夜型社会など新しい環境に順応できますが、それがうまくいかない人は間違いなくいるはずです。
今でこそ便利だと言って積極的に使われている無線通信技術ですが、本当に害があるのかどうかがわかってくるのは、子どものときから電磁波と共に成長してきた今の若い世代が大人になったころなのかもしれません。
わたしは今のところ携帯電話を持っていませんが、無線通信技術は活用しているので、なかなかそれを使わない生活というのは難しく思います。やはり便利であり、よほど自分にとってリスクがはっきりしていない限りは、使わないという選択はできません。
しかし少なくとも、電磁波過敏症のような少数の人の意見を、詐病や気のせいと決めつけてないがしろにするのは間違っているでしょう。周囲の人にも、こうした人の意見や気持ちを尊重してほしいと思います。