糞便移植によって腸内細菌叢を整え、難病を治すという糞便移植法について、日刊ゲンダイの記事で特集されています。
糞便移植法は先日のNHKスペシャル腸内フローラ解明!驚異の細菌パワーでも紹介され、注目を浴びています。
記事によると、潰瘍性大腸炎やクローン病、偽膜性腸炎などの腸疾患は、腸内フローラ(腸内細菌叢)に問題があり、極端な清潔志向、食物繊維が少なく高脂肪な食生活などが原因であると考えられるようになったそうです。
そこで、健康な人の便を患者の腸内に注入する「糞便移植法」を試みたところ、2013年、オランダのグループによると、偽膜性腸炎では90%以上が完治したそうです。
移植ではなく、カプセルや錠剤に加工して患者が内服する試みも行われているといいます。
日本では潰瘍性大腸炎の患者さんに対して臨床試験が行われている段階だそうです。
そのほか糖尿病、パーキンソン病、慢性疲労症候群、不眠症などの病気にも効果があるらしいことがわかってきていると書かれています。
以前にも書きましたが、個人的には、糞便移植以外の方法、たとえば食事療法などで腸内フローラを整えられたら、それが一番自然なことのように思えます。
糞便移植では、結局のところ食事や生活習慣を劇的に変えない限り、再発のリスクがあるのではないか、という点も気になります。
有効な治療法ではあると思いますが、まだまだ研究段階であり、実用には時間がかかりそうなので、今のところは食習慣の見直しから始めたいところです。