繊維筋痛症についてのニュースがありました。東京医大医学総合研究所所長の西岡久寿樹先生や線維筋痛症友の会 JFSA の橋本裕子さんといった、わたしも聞いたことのある人たちのコメントが載せられていました。
診断、治療の向上期待保険薬登場、診断基準も全身痛む線維筋痛症 医療新世紀 - 47NEWS(よんななニュース) |
西岡先生や橋本さんは、以前に慢性の痛み対策 医学生、医師、医療職の為の動画コンテンツ ドクターアカデミー DA -Doctor Academy--の動画で話しておられるのを拝見したことがあります。繊維筋痛症について知るのに、参考になりました。
今回のニュースで特に印象に残ったのは、横浜市立大教授の横田俊平先生が、若年性繊維筋痛症について「大人とは異なる対応が必要とされる」とコメントしておられる点です。
若年性線維筋痛症
子どもの線維筋痛症は、以前にも2007年の医療ルネサンスで報道されていました。心理的ストレスも関係することから、3〜4週間入院させ、家庭や学校など現在の環境から完全に切り離すことが治療の第一歩になるそうです。
ストレスで子供も発症 : 医療ルネサンス : 医療 : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
(インターネットアーカイブへのリンク) |
2009年には、若年性線維筋痛症の診断・疫学、病因・病態の解明と治療法の創出班によって調査がなされ、脂肪酸代謝やミトコンドリア機能低下、それによるATP産生能低下などが見つかったそうです。
難病情報センター | 若年性線維筋痛症(平成21年度) |
若年性繊維筋痛症について何より詳しいのは、若年性繊維筋痛症の子を育てる親が支えあうきずなの会のホームページです。このブログでも以前に紹介したことがあります。
若年性線維筋痛症 - きずなの会 |
東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センターの宮前多佳子先生が顧問をしておられ、今回のニュースにもコメントしておられた横浜市立大教授の横田俊平先生が相談役を務めておられるようです。
子どもの線維筋痛症は大人とは違った特徴があり、治療薬を選ぶ際にも注意が必要である旨が書かれています。
このブログは子どもの慢性疲労症候群(CFS)について書いていますが、同じ中枢性過敏の病気として、若年性繊維筋痛症とは当然重なりあう部分があるように思います。
疼痛は小児慢性疲労症候群(CCFS)の診断基準に含まれています。どちらもミトコンドリアの機能異常が関係しているようです。治療の面では、お互いに参考になる部分が多いのではないでしょうか。
いずれにせよ、線維筋痛症や慢性疲労症候群、シックスクール症候群といった見た目にわかりにくく、検査にも表れにくい子どもの病気は、家族からも、学校関係者からも理解されない苦痛を味わいがちです。
子どもの患者の存在は、大人の患者以上に知られていないので、こうした病気について理解と研究が深まることを願ってやみません。