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CFSは錆びついた重いレバーに似ている

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重いスイッチ日、同じ病気の友人2人とその家族と会いました。なかなか外出するのも大変なのですが、診察の日にちを合わせることができ、病院で落ち合うことになりました。

以前のエントリで、仲間と過ごすひとときは、見知らぬ土地で懐かしい友人と出会えたかのようにホッとするということを書きました。

積もる話はいろいろあるのですが、なんといっても、誰にもわかってもらえないようなCFSの独特な症状について共感しあえるのは嬉しいものです。

今回話し合って気づいたのは、わたしたちは活動と休止を切り替えるのが大変な、錆びついた重いレバーに似ているということでした。

熱しにくく冷めにくい

友人が話すには、イベントがある日に無理をして外出すると、思いのほか長い時間動いてしまい、あとあと疲れが尾を引いてしまう、とのことでした。無意識のうちにやりすぎてしまい、一週間、あるいは一ヶ月近く疲労が悪化し、もう少し自制しておけばよかったと思うのです。

わたしの場合も、どこかに出かける用事があると、まず活動し始めるのに苦労します。家から出るどころか、着替えることすら一苦労です。しかしいったん出かけてしまうと活動しすぎて、帰ってくるとと今度はなかなか寝られなくなります。

最終的に、とても疲れていて眠いのに、どうにも眠ることができず、動くことも休むこともできない状態、つまり何もできないまま悶々と過ごさざるをえない夜を迎えることもあります。主治医の先生によると、この点はCFSの人からよく聞く話だ、ということでした。

どうやら、わたしやわたしの友人は、動き始めるのが一苦労(熱しにくい)であり、同時に疲れきっていても休んだり眠りについたりするのが難しい(冷めにくい)ようです。

切り替えるのが難しいスイッチに似ている

電気のスイッチ元気な人は、休息と活動をそれほど苦労せずに切り替えられます。それはあたかも右の絵のように、電気のスイッチを切り替えるようなものです。起きたいときに起きることができ、眠りたいときに眠れます。

しかしCFSになると、そのスイッチが、まるで錆びついた思いレバーであるかのように感じられます。冒頭に描いた絵のような、体ほどの大きさがある巨大な重いレバーです。

動きたいと願っても全精力を傾けないと活動モードに切り替えることができません。そしていったん動き始めると、今度は休息モードに切り替えるのが難しく、やりすぎてしまうのです。

これは、単に“活動”にエネルギーが要る、ということではなく、“活動しはじめる”のに莫大なエネルギーが要る、ということです。わたしはときどきこんな経験をします。

じゅうぶん睡眠をとった後、すぐどこかに出かけようと思うとなんとか外出できます。そのまま、数時間外出してしまう(3000歩以上)こともあります。しかし起きて何時間も経ってから出かけようとすると、家からたった5分のスーパー(1000歩)にさえ行けません。

起きてすぐなら、巨大なレバーを活動モードに切り替える、つまり“活動しはじめる”だけの体力がありますが、何時間かたって消耗すると、もはや休息モードを抜け出すエネルギーがない、ということなのかもしれません。

家族から見た巨大なレバー

今回は、友人の家族とも一緒に会いましたから、家族の意見も聞いてみました。すると、家族の立場からしても、活動モードと休息モードの切り替えが難しい、ということは理解するのが難しいようです。

限界を超えてやりすぎて、疲れを溜め込んでいるように見えることもありますし、早く休めばいいのに、なかなか寝つかないときもあるからです。

家族の話では、「真夜中にトイレに起きたときに、まだ起きてテレビをぼーっと見ているのを見ると、早く寝ればいいのに、と思ってしまう」とのことでした。「もっと生活習慣をよくすれば、体調が良くなりそうなのに」とも感じてしまうそうです。

もちろん、「もうちょっと早く寝たら?」「ちょっとやりすぎてるんじゃない?」というのは、責めているつもりはなく、心配して声をかけているとも話してくれました。

わたしたちとしては、そのアドバイスをありがたく受け止め、耳を傾ける必要があると思います。限界を超えないよう注意すれば、いわゆるプッシュ・クラッシュサイクル(やり過ぎと悪化の繰り返し)に陥るのを避けられるはずです。

しかし同時に、錆びついた重いレバーの話を思い出してほしいとも思います。

適切なときに活動し、休息するというのは、健康な家族にとっては、電気のスイッチを切り替えるように努力すればできることかもしれません。

しかし、わたしたちにとっては、全身の体重をかけても、動かせないときには動かせない重いレバーのように、努力だけではどうにかなるものではないのです。

活動モードに切り替えることが難しく、何もできないときは本当に何もできないということ、また一度活動すると、休息モードに切り替えることが難しく、ついつい限界をわきまえずやりすぎてしまったり、なかなか眠れなくなったりすること。

この錆びついた重いレバーもまた、CFSの症状のひとつであり、意識しておく必要がある、ということを、友だちと話し合っている中で感じました。

▼比喩を使って説明する

CFSの症状は、目に見えない分、なかなか人に理解しててもらうのが難しいものばかりです。わたしは、このエントリのように比喩を使って説明できればと思っています。以下のエントリにもいくつか例を挙げているので、よろしければご覧ください。

CFS患者の会話の助けCFS患者の会話の助け ~こう言われたら~


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