子どもの慢性疲労症候群の15~30%は難治性―「教育と医学」CCFS特集の感想
昨日発売された 教育と医学 2016年 6月号 [雑誌]の中の特集2「疲れやすい子:小児慢性疲労症候群」を読んでみました。 特集はp58-83にわたって組まれており、CFS研究者の三池先生、倉恒先生、水野先生が執筆されています。 長年CFS研究に携わってこられた専門家たちによる異なる角度からの解説や、CCFSの治療やに関するデータなど、CCFSの深刻さを理解するのに役立つ内容でした。...
View Article人への恐怖と過敏な気遣い,ありとあらゆる不定愁訴に呪われた「無秩序型愛着」を抱えた人たち
愛着回避と愛着不安がいずれも強い愛着スタイルは、恐れ・回避型(fearful-avoidant)と呼ばれる。 対人関係を避けて、ひきこもろうとする人間嫌いの面と、人の反応に敏感で、見捨てられ不安が強い面の両方を抱えているため、対人関係はより錯綜し、不安定なものになりやすい。(p236) これは、愛着障害 子ども時代を引きずる人々...
View Article多重人格治療のパイオニア ラルフ・アリソンの素顔―患者のために涙を流した医師
「ラルフ、あなたが診てくれって言った患者のことだけど、あなた、何を相手にしてるかわかってる?」 「いや、キャサリン。わからないからテストをしてくれって頼んだんじゃないか」 「あなたが相手にしているのはね、もう一人の『私という他人』なのよ」(p33-34) それは1972年3月のことでした。サンタクルスで病院を構えていた医師ラルフ・アリソン(Ralph B....
View Article国立精神神経センターによる認知症予防・早期発見に役立つサービス「IROOP(アイループ)」が本日7/5から登録受けつけ
認知症を予防する研究を目的とした登録システムIROOP(アイループ)が本日7/5から運用開始され、登録が受け付けられています。 アイループは、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)や国立長寿医療研究センターによる、「あたまの健康応援プロジェクト」で、数万人規模の健康な40歳以上の日本人の登録と利用を見込んでいるようです。 トップページ | IROOP...
View Articleパーキンソン病の新しい治療法「デュオドーパ」承認―携帯ポンプで腸へ薬を持続供給してウェアリング・オフ改善
海外ではすでに広く導入されていて、日本でも期待されていた、パーキンソン病の新しい治療法、腸に直接レボドパ含有製剤を持続的に供給する「デュオドーパ」(DUODOPA)が、2016年7月に承認されました。 昨年1月に承認された米国をはじめ、今回日本で承認されたことで、デュオドーパは世界50ヵ国で承認されたことになるそうです。 アッヴィ、進行期パーキンソン病治療薬として「デュオドーパ®...
View Article雑誌「アレルギーの臨床」2016年6月号で化学物質過敏症の特集
北隆館による雑誌「アレルギーの臨床」2016年6月号で、化学物質過敏症(CS)が特集されていました。 化学物質過敏症・ゆるゆる仲間 書籍紹介の記事で知りました。ありがとうございます。 東海大学医学部教授の坂部 貢先生をはじめ、国立病院機構盛岡病院の水城まさみ先生など、多数の化学物質過敏症の専門医の方々の論文がまとめられています。 以下に、出版社の公式サイトから、目次の一部を引用しておきます。...
View Article慢性疲労症候群では腸内細菌の多様性が低下(コーネル大学の研究)―自己免疫性の脳の慢性炎症の原因?
慢性疲労症候群(ME/CFS)の患者の腸内細菌を調査し、患者を約83%の確率で見分けられる異常が発見されたという米国コーネル大学の研究結果が、6月23日に雑誌「Microbiome」に発表されたそうです。 研究を統括したのは、微生物学者のモリーン・ハンソン教授(Maureen Hanson | Department of Molecular Biology and Genetics)だそうです。...
View Article脳脊髄液減少症を80%の精度で判別できる「脳型トランスフェリン」というバイオマーカーを発見
福島県立医科大学の橋本康弘副学長らの研究グループによって、髄液にのみ検出される特殊なタンパク質「脳型トランスフェリン」(脳型Tf)が、脳脊髄液減少症を高い精度で診断できるバイオマーカーになることが発見されたそうです。 福島医大、難病の「目印」発見 脳脊髄液減少症の診断に希望:福島民友ニュース:福島民友新聞社 みんゆうNet 【広報】 脳脊髄液減少症の診断マーカー開発に関する研究費を獲得│...
View Articleイマジナリーフレンド(IF)「私の中の他人」をめぐる更なる4つの考察
わたしの中にいる他人。心の中に別の人がいる。存在を感じるだけでなく、完全に第三者的な思考を持っていて、友人のように会話することもできる。 そのような感覚を感じることがありますか? ある人たちは、そのような話を聞くと、何か病的な印象を受けるかもしれません。おそらく、頭の中に声が聞こえるという統合失調症や、心が多くの別人に分かれる多重人格、すなわち解離性同一性障害(DID)を思い浮かべるのでしょう。...
View ArticlePTSDと解離の10の違い―実は脳科学的には正反対のトラウマ反応だった
21世紀に入って大規模なテロ行為や、自然災害が増えるにつれ、ニュースなどでよく見聞きするようになった言葉のひとつに、PTSD、すなわち心的外傷後ストレス障害という病名があります。 PTSDは、突然恐ろしい出来事や犯罪行為に巻き込まれた後、神経が高ぶって敏感になり、繰り返すトラウマ記憶のフラッシュバックに悩まされる脳の機能障害です。...
View Article原因不明で診断がつかない難病を特定できる遺伝子解析プロジェクト「未診断疾患イニシアチブ」(IRUD)とは?
とても辛い多彩な症状に苦しめられるのに、従来の医学的検査で診断がつかず、「気のせい」「心の問題」「原因不明」などと言われてしまう。 このブログで扱っている慢性疲労症候群(CFS)などの病気の患者は、そうした理不尽な経験をしやすいものです。 しかし、そうした従来の医学検査では異常が見つからず、診断がつかない患者の病気を、網羅的な遺伝子解析によって特定しようとする試みが、慶応義塾大学医学部...
View Articleどうすれば わかりやすい文章を書けるのか? 意味不明になる5つの原因とその解決策
わかりやすく読みやすい文章を書く。 それは、もの書きにとって永遠の課題です。わたし自身、そのことでいつも悩んでいますし、まだまだ努力不足だと感じています。 特に、わたしたちは誰でも、扱う話題が専門的になるにつれ、意味がわからない文章を書いてしまいがちな傾向を持っています。...
View Article絶え間ない不安にとらわれた「絆の病」を抱える人たち―完璧主義,強迫行為,パニックなどの背後にあるもの
境界性パーソナリティ障害の場合、うつや不安障害、睡眠障害といった問題だけでなく、ADHD(注意欠如・多動性障害)や依存症、摂食障害、解離性障害といった診断がつくことも珍しくありません。 診断名ばかりが、ずらっと並ぶわけです。その治療を別々の医者から受けているというケースもあります。...
View Articleアンプリジェンが世界初のCFSの治療薬としてアルゼンチンで販売承認
かねてから何度も話題になっていた、RNA製剤アンプリジェン(Ampligen)が、アルゼンチンで筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の治療薬として承認されたというニュースがありました。...
View Article脳卒中から生還した科学者が語る「奇跡の脳」―右脳と左脳が織りなす不思議な世界
鏡の中に見える反転した自分の姿に向かって、わたしは嘆願しました。 (おぼえていてね、あなたが体験していることをぜんぶ、どうか、おぼえていてね! こののうそっちゅうで、認知力がこわれていくことで、まったくあたらしい発見ができるように―) (p48) もしも、刻一刻と壊れていく自分をリアルタイムで体験することになったら、あなたはどう感じるでしょうか。...
View Article感受性が強すぎて一歩踏み出せない人たち「回避性パーソナリティ」を克服するには?
■人からの評価に敏感 ■失敗するのが怖くて挑戦できない ■プライドは高いが自信がない ■人との関わりを求めつつも傷つくのを恐れる ■何事も面倒くさくて無気力 ■起立性調節障害や慢性疲労症候群で不登校になることも 本当は生き方を変えたいのに、あまりにハードルが高く感じてやる気が出ず、結局、問題と向き合うのを後回しにしてしまう。 あなたはそうした悩ましい葛藤を抱えていますか。...
View Article【10/11】トラウマ研究の権威ヴァン・デア・コーク博士の本「身体はトラウマを記録する」が発売
トラウマ研究の世界的権威であり、このサイトでも取り上げた発達性トラウマ障害(DTD)やサバイバル脳といった斬新な概念を提唱したことで知られる、ボストン大学医学部のヴァン・デア・コーク博士の本身体はトラウマを記録する――脳・心・体のつながりと回復のための手法が来月2016年10月11日に出版されます。 楽天ブックスの本書のページによると出版社である紀伊國屋書店からの内容紹介は次のようになっています。...
View Article自閉スペクトラム症(ASD)の子どもの視覚的思考力とボトムアップ処理のメカニズムが解明!
視覚的思考力が高い自閉スペクトラム症(ASD)の子どもの脳の特徴が、金沢大学 子どものこころの発達研究センターとモントリオール大学の共同研究プロジェクトで明らかにされました。 世界初! 自閉スペクトラム症児の視覚類推能力に関わる脳の特徴を捉える | 金沢大学 自閉スペクトラム症児の視覚類推能力に関わる脳の特徴明らかに-金沢大 - QLifePro 医療ニュース...
View Article生まれつき敏感な子ども「HSP」とは? 繊細で疲れやすく創造性豊かな人たち
■光や音、匂い、そのほかのさまざまな感覚に人一倍敏感 ■場の空気や他の人の気持ちを読みとることが得意 ■人より深く考え、呑み込みが早いと言われる ■感受性が強すぎるせいで刺激に圧倒されて疲れ果てることがある ■子どものころから空想の友だちなど不思議な体験をしてきた あなたはこのような、人一倍強い感受性の持ち主ですか? あるいは、もしかすると、あなたのお子さんがこのリストに当てはまるでしょうか。...
View Article慢性疲労症候群の客観的診断ができる血液中の成分発見―ピルビン酸/イソクエン酸などの比率が高い
理化学研究所、大阪市大、関西福祉大、慶應義塾大などの研究チームによって、慢性疲労症候群(CFS)の客観的な診断の目印(バイオマーカー)となる血液中の物質が発見されたそうです。 【プレスリリース】「慢性疲労症候群の客観的診断に有効なバイオマーカーを発見」について | 関西福祉科学大学 プレスリリース本文(PDF) 慢性疲労症候群患者の血漿成分中に特徴的な代謝物質 - 大阪市大が発見 |...
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