いつも時間がない人の処方箋―常に手術室が足りない病院が実践したたった一つのこと
ミズーリ州の救急病院、セント・ジョンズ地域医療センターは、手術室の問題を抱えていました。 32の手術室で年間3万件の外科出術が行われていて、急患が出ると午前二時に手術するほどでした。 この のっぴきならない状況は、常に予定に追われて、「いつも時間がない人」の場合とよく似ています。 この病院の場合、手術室が足りない状況を打開するためにできる選択肢は、以下のうちどれでしょうか。...
View Article人生に「死んだ時間」などない―病気や逆境をクリエイティブに乗り越えた人たちから学べること
構内放送が1時間の遅れを告げた。周囲にいた人々は不平を漏らしたり、駅員を怒鳴りつけたりした。1時間の空白。何もすることのない、言わば死んだ時間。 しかし息子にとって死んだ時間などというものはなかった。スケッチブックを取り出すと、怒る客たちの姿を描き始めた。(p111) あなたは今、病気や障害、ひどい環境などの逆境に直面していますか?...
View Article子ども時代の慢性的なトラウマ経験がもたらす5つの後遺症と4つの治療法
サクラの生育歴は、子ども虐待の臨床に従事した経験がある者なら、これだけで直ちに性的虐待の既往と重度の解離性障害を強く疑う所見に満ちている。 今日、このような症例が子どもも大人も「統合失調症」「双極性障害」「境界性人格障害」などと誤診をされ、延々と精神科の治療を受けているという場面にしばしば出会う。(p124) 激しい気分の浮き沈みや慢性的なうつ状態、幻覚、対人関係の不安定さや依存症。...
View Article「芸術家は右脳人間」は間違い―自閉症の天才画家からわかる創造性における左脳の役割
芸術家は右脳人間で左利きが多い。 そんな話を聞いたことがありますか。いわゆる自己啓発的な「脳科学」の本や、 マスメディアなどで人気のある話題ですが、これは最新の科学に基づくものではありません。 近年の脳科学では、自閉症の天才画家の研究などから、創造性における左脳の役割がわかってきています。そして芸術家の創造性には、左脳も右脳も重要である、という証拠が集まっています。...
View Article脳脊髄液減少症の治療法ブラッドパッチがついに保険適用に
2016年1月14日の厚生労働省の先進医療会議において、脳脊髄液減少症(脳脊髄液漏出症)の代表的な治療法であるブラッドパッチ療法を保険適用すべきだと判断されたというニュースがありました。 近々開かれる中央社会保険医療協議会で正式に承認される見通しだということです。 クローズアップ2016:髄液漏れ治療法、保険適用へ 患者ら悲願達成 医学研究前進の10年 - 毎日新聞...
View Articleダーウィンも気をつけた「アインシュテルング効果」とは? 人は自分の意見の裏づけばかり探してしまう
アインシュテルング効果の真の危うさは、まさにここにある。 自分が偏見なしに考えていると信じていても、新しいアイデアを刺激する可能性のある事柄から自分の脳が選択的に注意をそらしていることにまるで気づいていない可能性があるのだ。 自分がすでに抱いている結論や仮説と一致しないデータは、無視されるか捨てられてしまう。(p47) あなたは、自分は偏見がなく、おおらかな人間だと思いますか?...
View Article心的外傷後成長(PTG)とは―逆境で人間的に深みを増す人たちの5つの特徴
ただ、本文でも繰り返し触れられているが、過酷な体験をした人が単純にPTGの道を歩みはじめるわけではない。 もがき苦しみながら、行きつもどりつし、揺れ動きながら、PTSDとPTGが併存するような形で進んでいくことも多い。(pii)...
View Article小児慢性疲労症候群(CCFS)は高学年になるほど治りにくい―予防や早期治療が大切
小児慢性疲労症候群(CCFS)と睡眠障害についてのニュース記事が2つ掲載されていました。 ひとつ目の日経新聞の記事では、CCFSがどんな病気で、原因や治療はどうするか、という点について、二つ目のエコノミックニュースでは、三池輝久先生の眠育の取り組みについて紹介されています。 慢性疲労、子供も注意 その夜更かし…不登校の原因かも 専門医受診/睡眠習慣改善を :日本経済新聞...
View Articleアスペルガーは「共感性がない」わけではない―実は定型発達者も同じだった
アスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)の人は、「共感性がない」。 これまで、幾度となく繰り返し見た言葉です。アスペルガーをはじめ、自閉症と共感性のなさは、たいていの場合セットで語られてきました。 しかし、このブログで何度か過去にも取り上げてきたとおり、近年の研究では、どうもそれは正しくないということがわかってきています。...
View Article体の形に合わせた寝具で寝ると自律神経疲労が軽減される―大阪市大の梶本修身先生の研究
抗疲労研究で有名な大阪市大の疲労医学講座と寝具メーカーの西川リビング株式会社の研究で、体の形にフィットして自然な姿勢を保てる寝具(マットレスと枕)を使用すると、疲労が改善することが数値的に実証されたそうです。 身体に合わせた敷き寝具で日中の疲労が軽減されることを科学的に実証 — 大阪市立大学 西川リビング、大阪市立大学との共同研究で科学的に実証!...
View Article自閉スペクトラム症(ASD)の人は会話するとき顔が近い―東大の研究
わたしたちは他人が近づいてくると、ある距離のラインを越えた時に「近すぎる!」と不快感を覚えます。このラインの内側はパーソナル・スペースと呼ばれます。 東大の研究によると、自閉スペクトラム症(ASD)、アスペルガー症候群(AS)の人は、不快に思う対人距離が短いために、コミュニケーションをするときに相手のパーソナルスペースに接近しすぎる、という研究が出ていました。...
View ArticleADHDの新薬インチュニブ(グアンファシン)が国内で子どもを対象に承認申請
塩野義製薬が、子どものADHDを対象に、インチュニブ(グアンファシン)の国内での製造販売申請を行ったそうです。成人のADHDの適応については開発準備中とのこと。インチュニブ(Intuniv)は米国での商品名です。 新規ADHD治療薬「S-877503」の製造販売承認申請-シオノギ - QLifePro 医療ニュース 塩野義 新規ADHD治療薬を承認申請 小児適応で│ミクスOnline...
View Article天才とは10代の脳の可塑性を持ったまま大人になった人? 創造性ともろさが隣り合わせ
新たなスキルを学ぶ際に臨界期の扉を開くと、何か本質的な危険があるというのだろうか? かつてフランスの詩人ボードレール(CHarles Baudelaire)が書いたように、天才とはつまるところ「意のままに取り戻された幼年期にほかならない」のではなかったのか?(p55)...
View Article解離性同一性障害(DID)の尊厳と人権―別人格はそれぞれ一個の人間として扱われるべきか
多重人格ないしはDIDの状態にある患者との日常的な臨床で、私は日々認識を新たにしていることがある。 それは彼女たちの持っている交代人格たちは別人どうしであり、それぞれが一人の人間として認めてほしいと切実に願っているということだ。 このことに関しては、私はあまり例外を経験していないし、それを彼女たちにとって正当な要求であると感じる。(p3)...
View Article人間は本質的に芸術家―たとえ脳が傷ついても最後まで絵を描き音楽を楽しむのをやめない
あなたは絵や音楽が好きですか? 自分で描いたり演奏したりするのはちょっと…という人でも、きっと、好きなイラストや好みのメロディがあると思います。 疲れたときに、大好きな音楽を聞くと元気が出る、癒されるという人は多いですし、アートセラピーのように、絵を描くことで傷ついた心を癒す人もいます。...
View Article化学物質過敏症(CS)のメタボローム解析。アセチルカルニチンが低下している?
メタボローム解析によって、化学物質過敏症(CS)の患者の血中代謝物を解析したところ、 中鎖脂肪酸やアセチルカルニチンの異常が見られたという研究がありました。 日本衛生学雑誌Vol. 71 (2016)に載せられた化学物質過敏症研究へのメタボロミクスの応用 に基づく内容です。 化学物質過敏症研究へのメタボロミクスの応用_pdf カルニチン異常は、慢性疲労症候群(CFS)でも報告されています。...
View Article気づかれにくい「女性のADHD」の10の特徴&治療に役立つポイント集
女性は男性に比べてADHDに気づかれにくく、本人が「ミスの多さ」や「同性に嫌われること」、「スケジュール管理の難しさ」などに悩んでいても、なかなか診断が得られません。 治療を受ければよくなるのに見過ごされるケースが多いのです。(p1) これは、2015年に発売された女性のADHD (健康ライブラリーイラスト版)のまえがきにある言葉です。...
View Article【2/18】NHKあさイチに篠永正道先生が出演。脳脊髄液減少症が扱われます
国際医療福祉大学のTwitterによると、明日2/18(木)のNHK総合テレビ あさイチに篠永正道先生が出演し、脳脊髄液減少症について扱われるそうです。 あさイチの放送時間は、午前8時15分~9時54分ですが、そのうち冒頭10分ほどの特集とのこと。 本学教授で熱海病院の篠永正道先生がテレビ番組に出演予定! ●日時:2月18日(木)午前8時15分~9時54分●番組名:NHK総合テレビ...
View Article慢性疲労症候群(CFS)の治療や説明に役立つおすすめ本とマンガのまとめ
慢性疲労症候群とはどんな病気なのでしょうか? どうやって治療すればいいのでしょうか? 家族や友だちにはどう説明すればいいのでしょうか? 慢性疲労症候群(CFS)という聞き慣れない病気の可能性を疑ったとき、あるいは実際に慢性疲労症候群であると診断されたとき、多くの人はそんな疑問を抱えます。...
View Articleささいなことにも傷つく「拒絶感受性(RS)」の強い人たち―傷つきやすさを魅力に変えるには?
自制はなぜ、どのようにしてこのポジティブな影響を及ぼすことができるかについての研究はこれまで、「拒絶感受性(RS)」と呼ばれる、多くの人に見られる有害な弱点に的を絞ってきた。 …「高RS」の人は、緊密な関係にある相手から拒絶されるのを極端に気にかけ、自分が「見捨てられる」のではないかと心配し、自らの行動を通して、自分が恐れているまさにその拒絶を誘うことがよくある。(p176)...
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